レディ・レイピスト

戻る


第一章

 土木作業員坂口勇吾は一日の仕事を終え、弁当などが入ったコンビニ袋を片手に自宅へと向かっていた。
 晩秋を迎えた公園には冷たい風が吹き抜け、木々がざわめいては雨のように木の葉が舞い落ちる。
 公園内に人影は全く無かった。
 勇吾は公園の中でも最も暗く林の濃い場所に差し掛かった。
 本来その場所を照らす筈の電灯はすっかり弱ってちかちかと点滅し、歩道に覆い被さるように群生した木々の枝によって、月の光は殆ど遮られてしまっていた。
 それらの木々に一定の間隔で括り付けられている看板に勇吾の目が行く。
 薄汚れた木製の看板には(痴漢・ひったくりに注意)と書かれていた。
 その文字を勇吾は鼻で笑う。痴漢は男である自分には関係ないし、引ったくりなら逆に相手の身包みを剥ぐ自信があった。
 日々の土木作業で鍛えられた勇吾の身体は筋肉で盛り上がり、時々作業現場で起こる喧嘩にも一度も負けた事が無かった。
 そんな勇吾が肩で風を切りながら点滅する電灯の下を通り過ぎた瞬間、背後の木陰から人影が飛び出してくる。その気配に振り返ろうとした時、勇吾は首筋にチクリという痛みを感じた。
 振り返り、自分にちょっかいを出してきたふざけた奴に一発見舞ってやろうと思っていた勇吾だったが、実際には振り返る事も出来ずにその場に崩れた。
 自慢の筋肉は全て緩み、失われ行く意識の中で、勇吾は微かな香水の匂いを嗅いだような気がした。
 やがて勇吾は身を引き裂かれるような痛みで意識を取り戻した。
 しかし、目の前は暗闇であり、口も利けなかった。
 自分が目隠しと猿轡をされている事に気付くより前に、勇吾はアヌスへの異物挿入感とそれに伴う鋭い痛みにくぐもった呻き声を上げる。
 ようやく自分の置かれた状況、つまり目隠しに猿轡、そして両手両足には手錠を嵌められ、うつ伏せのまま尻に何かを突き立てられているという状況を理解した時には、既に異物は根元のような部分まですっぽりと勇吾の尻に埋まっていた。
 次に勇吾は背後に人間が圧し掛かっている事に気付く。
 その証拠に勇吾の腰を薄いゴム手袋をした手がしっかりと掴んでいた。
 背後にいる人間の意図を悟った勇吾は慌てて逃れようとしたが、全身の筋肉は全く反応を見せなかった。
 そうしている内に背後に圧し掛かる人間の腰が大きく動き、最初の一撃が勇吾のアヌスに加えられた。
 痛みに屈辱、そして快感。相反する刺激が順番に勇吾の身体を突き抜けていく。
 男である自分が背後からアヌスを犯されているという事実に怒りと屈辱を感じながらも、勇吾はアヌスを貫かれる痛みの向こうに得体の知れない快感を確かに感じていた。
 アヌスに挿入された異物によって前立腺を刺激され、鉄のように硬く勃起した黒いペニスはむず痒いような快感を伴ってヒクつき、射精が近づきつつある事を勇吾に知らせていた。
 深くゆっくりとした腰のピストン運動はやがてスピードを増していき、直腸を引き摺り出されるような錯覚を覚える。
 自慢の肉体に物を言わせ、ソープ嬢を失神させることさえ稀ではない勇吾だったが、アヌスの奥に一撃食らうたび、脳天に閃光が走り、まるで童貞少年のように、堪える暇もなく、あっさり地べたに射精した。
 見知らぬ誰かにやすやすと精を抜き取られた勇吾は、苦い屈辱感に塗れながら、初めて味わう失神の身も蕩けるような快感の底へと、なす術なく沈んでゆくのだった。

 翌日の新聞に(土木作業員の男性強姦さる!)という見出しは掲載されなかった。
 自宅でその事を確認した小谷美沙子はニヤリと笑い、新聞を閉じる。
 勇吾は運良く他人に発見される前に意識を取り戻し、手足に嵌められていた手錠が外されている事に気付くと慌てて自宅へと逃げ帰ったようだ。
 勇吾が他人に、自分が強姦された等と泣き付く事は有り得なかった。
 ベッドに戻った美沙子を教え子の田上理沙が笑顔で迎えた。
「先生、何か嬉しそう。いいニュースでも新聞に出てたの?」
 屈託の無い笑顔で尋ねる理沙は、全裸にシーツを巻いただけの格好でベッドに腰掛けている。
 理沙は美沙子の勤める私立中学の二年生で、美沙子の授業を受ける生徒の一人だった。
 勉強もスポーツも良くできる理沙はポニーテールをトレードマークとする細身の美少女で、性格は一本気、快活そのものと言って良い。
 その為、男子生徒はもちろんの事、男性教師の中にも理沙のファンがいるほどの人気だった。
 美沙子は理沙のクラスの授業を受け持った時から理沙に目を付け、二ヶ月前、理沙が付き合っていた家庭教師の大学生に捨てられたのを機にレズビアンの世界に誘ったのだった。
 美沙子は中学三年の時、憧れていた担任の男性教師に無理矢理処女を奪われていた。
 美沙子はその男性教師の事が好きだったが、処女を捧げるほどの覚悟は出来ていなかった。
 好きだった男に力ずくでレイプされた恐怖から、その一件以来、美沙子は女しか愛せなくなってしまったのだ。
「いいえ、出ていなかったわ。それより、これからまた理沙ちゃんを可愛がれるかと思うと嬉しくって」
「先生のエッチ。私もう腰ガクガクだよ。先生の腰使い、すごすぎるんだもん」
「嫌だった?」
 美沙子は理沙の隣に座り、理沙の手に自分の手を重ねる。
「まさか。先生とのセックスってすっごく気持ち良いし、男なんかもう要らないよ」
「そう、ありがとう。本当の事言うと少し不安だったのよ。失恋した理沙ちゃんの寂しさに付け込むような形だったから」
「そんな事気にしないで先生。私もちょうど落ち込んでた時で、すごく嬉しかったんだから。それに女同士がこんなに良いなんて知らなかったし。だから、これからも色々な事、先生に教えて欲しいな」
 にっこり微笑む理沙に美沙子は欲情した。
 既に数時間の情事を終えたばかりだったが、女同士のセックスに果ては無い。
 その気になれば、お互いの精根尽き果てるまで愛し合う事ができるのだ。
「理沙ちゃん!」
 美沙子は堪らず理沙を抱き締めた。
 理沙は大人しく美沙子に抱かれながら、美沙子の顔を見上げ静かに瞼を閉じる。
 美沙子は優しく唇を重ねると、ゆっくり舌を挿入した。
 理沙は差し入れられた美沙子の舌を受け入れ、自分の舌を絡めて行く。
 大人の女と瑞々しい少女は互いに柔らかな唇を貪り、熱い舌を絡め、そして蜜のように甘い唾液を交換しながら情欲を高め合った。
 美沙子は理沙の身体からシーツを剥ぎ取り乳房に直接触れた。
「あんっ!」
 予想外に強い刺激に驚いた理沙は唇を一瞬離してしまう。
「そんなに感じた? 優しくしたつもりだったんだけど」
「先生は優しかったよ。私の身体、一杯イッちゃった後だから、すごく敏感になってるみたいなの。大丈夫だから続けて、先生」
「わかったわ。でも、嫌だったら言って頂戴ね」
「うん」
 美沙子は再び理沙の乳房への愛撫を再開した。
 理沙の乳房は十四歳にしては少し大き目といったサイズで、肩口から薄いピンク色の乳首へと見事な曲線を描いていた。
「あっはぁ……」
 理沙の口から甘い溜め息が漏れる。
 美沙子は理沙の反応をしっかり確かめながら指を理沙の股間へと忍ばせた。
 指先にぴったりと閉じた柔肉のスリットを確認するとその割れ目に沿って何度も何度も指を往復させる。
 そうしているうちに、やがてスリットは理沙の胎内から滲み出た蜜液で滑りが良くなり、くちゅっくちゅっと可愛らしい音を発て始めた。
「せ、せんせい……それ、すごく気持ち良い……オマンコ溶けちゃいそう……」
 とろんとした目で訴える理沙をベッドに押し倒し、美沙子は本格的な愛撫を開始する。
 美沙子は理沙の乳房に舌を這わせながら、中指で裂孔を割り、スリットの奥へとゆっくり滑り込ませた。
 理沙の幼い膣は指一本ですらきつく、柔らかな肉ひだが指に絡み付いてくる。
「理沙ちゃんのここ、すごくいやらしいわ。指一本でキツキツ。それに中のお肉が指に吸い付いてくるわよ」
「いや! せんせい、そんな事言わないで。私のオマンコいやらしくなんかないもん」
 いやいやと首を振って理沙は抗議する。
 しかし、美沙子はにんまりほくそ笑み、理沙の胎内に挿入する指を一本から二本に増やしてしまう。
「うぁっ! だめっ、せんせい! 二本は……きついよぉ」
「大丈夫よ。ほら、こんなに濡れて、もうぬるぬる」
 美沙子は膣に埋めた二本の指を出し入れしながら大きく開き、理沙の胎内を掻き混ぜていく。
「せ、せんせいの指が、お腹の中で……暴れてるのっ! もっと! もっとして! お願い!!」
 腰を淫らにくねらせて、理沙は美沙子の指を求める。
「フフフッ、可愛いわよ理沙ちゃん。お望み通り、もっともっと良くして上げる。それこそ理沙ちゃんの細い腰が砕けるくらいね」
 そう言うと美沙子は指の動きを速めながらスリットに舌を這わせた。
 指を引き出す度に理沙の胎内から蜜液が湧き出し、美沙子の舌に舐め取られる。
 やがて美沙子の舌が理沙の膨らんだ肉芽を捉えた。
「ひぃっ!」
 悲鳴と共に理沙の腰が跳ね上がり、美沙子の指は収縮した膣筋にキュッと締め上げられた。
「どうしたの、オマンコひくひくさせて。もうお終い? イっちゃうの?」
 美沙子は唇で理沙の肉芽を弄びながら、子供をあやすような言葉で責めた。
「はあ、はあ、ま、まだ……イかないもん。せんせいに鍛えられたから、そんな簡単には……」
 理沙の言葉を遮って、美沙子は親指で理沙の肉芽を軽く爪弾いた。
「っ……!」
 理沙は声にならない悲鳴を上げ、美沙子の指から逃れようと腰を泳がせる。
「ほらほら、腰が逃げてるわよ。まだイかないんでしょう? これからが本番よ」
 美沙子は理沙の腰をしっかりと押さえつけると、胎内に差し入れた指をコの字型に曲げ、理沙の身体の内側を指先で引っ掻く。
 何かを探るように蠢く指先にアーモンド状のこりこりした肉のしこりが引っ掛かった。
「せ、せんせいっ、そこはだめ! 堪忍して! そこ責められたらおしっこ漏れちゃう!」
「そうよね。理沙ちゃんはここすごく弱いのよね。中学生にもなってお漏らししちゃったんだものね」
 美沙子は指先で肉のしこりを強く揉み解して行く。
「いやあ、そんな事ないもん! 私、お漏らしなんかしないもん!」
 両手で顔を隠しながら半狂乱で叫ぶ理沙を無視して、美沙子は止めを刺すべく、Gスポットとクリトリスを同時に責めたてた。
 激しくバイブレーションする美沙子の指は理沙の弱点二個所を確実に捉え、未熟な少女をいとも簡単にオルガスムスへと導いていく。
「も、もうだめっ! いっちゃう! せんせっ、イクッ、イッちゃうのぉ!!」
「良いのよ、イキなさい! ほらっイクのよ!!」
 美沙子の掛け声と共に、理沙は全身をビクッビクッと痙攣させてオルガスムスを迎えた。
 迫り来る巨大な悦楽の波を乗り越えるべく眉間に皺を寄せ、歯を食いしばり快感に耐える理沙は、やがて力尽きてぐったりと動かなくなった。
 全身の筋肉を緩ませ、焦点の合わない目で虚空を見つめる理沙の股間から、熱い滴りが勢い良く吹き上げられ、ベッドシーツを盛大に濡らした。
「ご、ごめんね、先生。また私だけイッちゃった。それにまた先生のベッド汚しちゃったぁ……」
 快楽の余韻に浸りながら理沙が申し訳なさそうに謝った。
「そんな事良いのよ。気にしないで。理沙ちゃんのイクとこ見て、私も結構感じちゃったし」
「でも、もう一回くらいする時間はあるよ。今度は私が先生にして上げる」
 理沙はベッドから立ち上がるとフラフラと危うい腰つきで歩き出し、タンスの引き出しから双頭ディルドーを取り出した。
 理沙はこの二ヶ月で美沙子の家の何処に何が有るのかをかなり詳しく把握していた。
「これで一緒に気持ち良くなって今日はお終いにしよう」
 双頭ディルドーを両手で握りながら理沙は嬉しそうに言った。
 理沙の家は共働きの両親が八時頃に帰宅するので、それまでには家に帰っていなくてはならなかった。
「理沙ちゃんはタフね。あれだけイカせたのに、まだ足腰立つんだから恐れ入るわ」
「えへへっ。一年の時に怪我して辞めちゃったけど、バスケ部で足腰は鍛えてたからね。それより、ねっ良いでしょ?」
 そう言って理沙はベッドに駆け寄り、美沙子に懇願する。
 理沙の誘いに美沙子も満更ではなかった。というのも経験値の差からどうしても理沙の方が先にイッテしまう事が多い為、美沙子はまだ満足していなかったからだ。
「OK、良いわ。じゃあ二人で気持ち良くなっちゃおうか?」
 美沙子は軽くウインクして理沙を誘った。
「やった! 今度は先生をちゃんとイカせてあげるからね」
「期待してるわ。さ、始めましょう」
 美沙子の言葉で二人は互いに尻を向け合いベッドの上に四つん這いになった。
「私の方から先に入れるね」
 理沙はそう言うと双頭ディルドーの片方の先端を自分の膣にゆっくりと挿入した。
 やがて先端が理沙の膣奥まで届く。
「は、入った。これすごく太くてお腹一杯って感じね。さ、先生も来て」
「フフフッ、理沙ちゃんのオマンコからオチンチンが生えてるみたいでそそるわね。じゃ、いくわよ」
 美沙子は理沙の尻から突き出た双頭ディルドーを手で支えると自らの尻を近づけ、そのまま肉裂を刺し貫いた。
「あっ! あっ! あっ!」
 ゆっくりと尻を押し出し、膣の奥深くまで双頭ディルドーを咥え込む。
 やがて、美沙子と理沙の尻がぶつかり、二人の股間が双頭ディルドーで完全に連結された。
「ああっ、すごい! 先生の振動がお腹の中に伝わってくる!!」
「私もよ、理沙ちゃん。時間までたっぷりと楽しみましょう!」
 美沙子と理沙は互いにタイミングを合わせ尻をぶつけ合った。
 尻と尻がぶつかり合う卑猥な音と共に二つの尻が揺れ、互いの胎内で蠢く双頭ディルドーの先端が膣奥を激しく叩く。
「せ、せんせい! 奥に、奥に当たってるの! すごく気持ち良い!!」
「すごいわ理沙ちゃん! タイミングばっちりよ!!」
 二匹の牝獣は互いの尻から少しでも多くの快楽を掘り起こそうと夢中で尻を振った。
 濃厚な淫臭の立ち込める室内には二人の甘い喘ぎ声が響き、恍惚とした表情で天国への階段を一歩また一歩と上り詰めて行く。
「わ、私、もうそんなに長く持たないよぅ。せ、先生はどう?」
「も、もう少しよ。もう少しだから……」
 美沙子は理沙に追いつこうと自分のクリトリスを指で刺激した。
「あ、いい感じよ。き、気持ち良い……。理沙ちゃん、イク時一緒よ!」
「う、うん、せんせい。一緒に、一緒に天国に行こう……」
 最後の頂きへ向け、互いに激しく腰を振り、二人は尻をぶつけ合う。
「あ、せんせい! わたし……イキそう……。あっあっあっ、イク、イク……イッ……クぅ……あはぁっ!!」
「わ、私もよ! イクわ……もう……駄目……あ、イクッ、うっ、イクッ、イクッ、イクーッ!!」
 美沙子と理沙は同時に悦びの声を上げると、しゃちほこのように美しく背中を反らせ、オルガスムスのもたらす痙攣にひくひくと身を戦慄かせる。
 やがて、爆発したエクスタシーの荒波はゆるやかに退いて行き、後に残こされた、えもいわれぬ甘美な余韻の沼底へと、二匹の牝獣は手に手を取り合って沈んで行くのだった。

戻る