未亡人と少年
1 (ちょっとした出来心がこんな事になるなんて) 後悔に苛まれる信二は全裸で立たされていた。 「どうしたの? 泣きそうな顔して。いつも私をババァ呼ばわりするあの威勢はどこへいったのかしら?」 恵理子は腕組みをしながら信二の正面に立ち、サディスティックな笑みを浮かべている。 「う、うるせぇババァ! 絶対、警察に通報してやるからな、覚えてろよ!」 ムキになって怒鳴る信二の言葉にも、恵理子は余裕の表情を崩さない。 「あらそう。じゃ私も警察に言ってやるわね。近所の中坊に下着を盗まれて困ってますってね」 そう言って恵理子は、没収した信二のズボンのポケットから一枚のパンティーを引き摺り出し、ひらひらと振って見せた。 「好きにしやがれ! そ、そんなのでっちあげだって言っちまえばそれで終わりだ!」 虚勢を張る信二は明らかに怯えていた。 「じゃあ、そうするわ。 警察だけじゃなく、もちろんあんたの学校や両親にも連絡するわよ。どれだけの人があんたを信用してくれるか、楽しみね」 恵理子は信二を見つめたまま受話器を取るとボタンをゆっくり押していく。 それを見た信二の顔が絶望の色に染まる。 「さあ、どうするの? 私の奴隷になる? それとも……」 重い沈黙の中、電話の呼び出し音が静かに響く。 一回、二回、三回……。 「わ、わかったよ! なるよ、なりゃいんだろ!!」 「何その態度? 別に私が頼んでる訳じゃないのよ」 恵理子のセリフに被って四回目の呼び出し音が鳴った。 「……わかりました。俺をあなたの……奴隷にしてください……」 半べそを掻きながら、信二は絞り出すように言う。 「それだけ?」 「……お願いします」 信二の最後の言葉を聞くと、恵理子は満足そうに受話器を置いた。 「よろしい。これで契約成立ね」 こうして西田恵理子と酒巻信二の間に奴隷契約が結ばれた。 2 事の発端は三日前の事だった。 信二は放課後学校の屋上で悪友達と猥談に華を咲かせていた。 話の主役は信二の近所に住む未亡人、西田恵理子だった。 恵理子は信二達の間では鬼ババァと呼ばれ、嫌われていた。 というのも、信二の家に遊びに来た友人達が帰る際に、家の前で立ち話をしていると必ず恵理子が出てきてはうるさいと怒鳴り付け、信二達を解散させるのが主な理由だった。 恵理子は数ヶ月前に夫を交通事故で亡くしていたので、信二達は未亡人のヒステリーと言っては恵理子を罵倒するのが常だった。 「なあ、あのババァ、ムカツクけど、顔は結構美人だよな」 信二の悪友の一人、藤田鉄男が興奮した面持ちで話を切り出した。 「それにスタイルもまあまあだ。胸もでけぇし」 幼なじみである沖浦英吾が鉄男の意見に賛同する。 「そういやこの間の朝、酒巻を迎えに行った時に見たんだけどさ、ババァが下着、庭に乾してんだよな。ばかでけぇブラジャーと色っぽいパンティーが一杯ぶら下がってたぜ。な、酒巻」 信二が所属する悪ガキ四人組みの中でも最もスケベな向坂昭夫が、中学生とは思えない好色そうな笑いを浮かべて言った。 「ああ。いつもそうだよ。最近は部屋に乾す女が多いみたいだけど、あいつは前からずっと庭に乾してる。盗まれるとか、あんま気にしてないのかもな」 信二の言葉に他の三人が一瞬沈黙した。そして次の瞬間、鉄男が呟いた。 「下着……盗めねぇかな?」 再び沈黙。 鉄男、英吾、昭夫が同時に信二を見つめる。 「お、俺かよ?」 ちょっと待てと言いたげな信二をよそに、悪友三人は一気に盛り上がる。 「そうだよ! 酒巻家近いしさ。近所じゃ優等生で通ってるからバレねぇだろ」 「賛成! お、俺パンティーな。ブラジャーはいらねぇからさ。色気たっぷりのパンティーを頼むぜ信二!」 「じゃ、俺はブラジャーだ。できれば沢山欲しいけど、一本で我慢するからさ。頼むよ酒巻!」 もはや中学生の吐くセリフではなかったが、その執念にも似た三人の迫力に、信二は断る事が出来ず、なし崩し的に恵理子の下着を盗む羽目になってしまった。 渋々ながら了承した信二は、次の日から恵理子の様子を観察し始めた。 恵理子の家は信二の家の斜向かいにあり、二階にある信二の部屋からは丸見えの位置だった。 信二はいつもより早く起きて、恵理子がいつ下着を乾すのか観察した。 その結果、恵理子は朝、信二が家を出る少し前に洗濯物を乾し、夕方、買い物を済ませた後に取り込むという事が判明した。 この情報に従って信二は夕方、恵理子が買い物に出かけた直後に作戦を実行する事にした。 作戦の詳細は至って簡単。デパートの紙袋を持ち、御近所へのお土産を装って玄関を訪れ、不在を確認するフリをして庭へ移動。後は乾してある下着を紙袋へ入れ、そのまま帰宅するというものだった。 問題は下着を捕獲する際に近所の人間に見られる心配がある事だったが、恵理子の家の庭にはぐるりと囲む様にして様々な樹木が植えられており、外部からの視線を殆ど遮ってしまう配置になっていたので、さほど心配は要らないと信二は判断した。 所要時間は数分。余程のアクシデントが無い限り、作戦は無事に成功する筈だったのだが、その余程のアクシデントが本番であっさり起こってしまった。 信二が下着を無事に捕獲し、玄関から何気ない顔で脱出しようとしたまさにその時、商店街で使えるクーポン券を忘れたらしい恵理子とばったり鉢合わせしてしまったのだ。 「こんなとこで何してるの?」 刺のある声で尋ねる恵理子に対して、信二は紙袋に予め仕込んでおいた田舎の安土産(本来は信二の家で消費される予定だったもの)を取り出し、 「この間、田舎に行った時のお土産なんですが……」と見事に誤魔化した。 腑に落ちない表情の恵理子だったが、御礼を言って渋々受け取った。 「では」と言って信二がそのまま脱出しようとした時、背後から恵理子の声が掛かった。 「ポケットから出てるそれは何?」 恵理子の言葉に信二は飛び上がらんばかりに驚くと同時に作戦の失敗を思い知った。 というのも、信二は下着を紙袋に捕獲し、退却しようとした際にせっかくだからと慌ててパンティーをもう一枚ポケットに捻じ込んでいた。 そして、まさにそのパンティーが見事にポケットからはみ出し、信二の犯行を恵理子に知らせていたのだ。 尚も誤魔化そうする信二を無視して、恵理子は信二から紙袋を奪い取り中身を確認する。 この時点で信二の運命は完全に決したかに思われた。 しかし、即座に警察または親に連絡されるという予想は外れ、恵理子は信二を家の中に引き込んだ。 その為、信二はまだ何とかなるかもしれないと一縷の望みを託すのだが、結果は冒頭の記述通り、散々な首尾に終わった。 3 恵理子との奴隷契約を結んだ翌日、信二は悪友達に恵理子は下着を庭に乾さなくなったと言い訳した。そして実際に、恵理子は下着類を庭に乾すのを止めていた。もちろんこれは信二が恵理子に掛け合った結果なのだが、ともかく信二は悪友達を納得させる事に成功した。 しかし、その日から信二は放課後帰宅する途中に恵理子の家に寄らなくてはならなくなった。恵理子は信二の帰宅時間近くになると玄関のドアの鍵を開けておき、やってきた信二は立ち止まる事無く恵理子の家に滑り込む事ができた。 信二が中に入ると玄関では恵理子が待ち受けており、この時から信二のお勤めの時間が始まるのだった。 「おかえりなさい」 玄関を入って直ぐ左にある階段に、頬杖を突いて座る恵理子がニヤニヤしながら信二を迎えた。 「……ただいま」 信二は努めて粗雑に挨拶した。下着泥棒の一件を押えられている為、余り恵理子の機嫌を損ねるのは不味かったが、かといって奴隷扱いされた上に感情的に馴れ合いになる事は、中学生とはいえ男の信二には我慢できなかった。 「相変わらず尖がってるわね。いい加減に慣れたらどう?」 「奴隷に慣れろってのは無理があるだろ」 「そう? 最近はあんたが私に責められて喜んでるように見えて仕方が無いんだけど……」 「ば、ばかやろ、誰が喜ぶか! あの事が無きゃ……」 「はいはい、わかったわよ。じゃあ、早速始めましょ」 恵理子は興奮する信二をなだめてリビングへ連れて行くといつものセリフを吐いた。 「さ、裸になりなさい」 まず信二が恵理子の目の前で服を脱ぐ。これがいつものパターンだった。 「くっ」 信二は顔を赤らめながらも学生服を脱いでいく。その様子を恵理子はソファーに足を組んで座り、じっくり眺めている。 「ほら、ちゃんとこっちを向いて。私の目を見ながら脱ぎなさいって、いつも言ってるでしょう」 「うるせぇな、変態ババァ! こんな事して楽しいのかよ?」 「ええ、とても楽しいわ。それよりあんたは、その変態ババァの下着盗んで何するつもりだったのかしら?」 捕獲した鼠をいたぶる猫のように、目を意地悪そうに細めて恵理子は笑った。 「し、知るかよそんな事」 腹立たしくも、答えることが出来ず、信二は逸らかすようにそっぽを向く。 「ちゃんとこっちを向いて質問に答えなさい。さもないと……」 恵理子は携帯を持ち出して、通報をちらつかせ、脅しを掛けてくる。 「くそっ! お、オナニーだよっ!!」 やけくそになった信二は、顔を真っ赤にして吐き捨てた。 「へぇ、あんた自分がババァって呼んでる女の下着でオナニーするつもりだったんだ。あんたも立派な変態よ。それに犯罪者だしね」 犯罪者という言葉が胸にズキリと刺さる。それを見透かしたように恵理子が続けた。 「ほらっ、手が止まってるわよ。後一枚なんだから男ならパッと脱いじゃいなさい」 恵理子に急かされて、信二は渋々トランクスを脱ぎ捨てた。 裸になった信二の身体は中学生らしく、中性的な肉付きで恵理子の目を楽しませた。 そして恵理子の視線が信二の股間に注がれる。 「毎度思うけど、あんたガキの癖にオチンチンは大きいのよね。しっかり剥けてるし。きっと将来、女泣かせになるわね」 恵理子は言いながらソファを立ち、ゆっくりと信二に近づいてくる。 「余計な世話だ。あんたこそ、いい歳して誰も相手にしてくれないのかよ?」 「ええ。私みたいな未亡人の中年女を相手にしてくれるのは、あんたみたいな童貞君だけよ。だから今まではあんたのオナニーショーで我慢してきたけど、今日はちゃんと頂くからね。楽しみにしてなさいね」 恵理子はソファから立ち上がると、既に少し硬くなっている信二のペニスに触れた。 その途端、ペニスは一気に硬さを増していく。 「フフフッ、若いわね。でもこんなに敏感なんじゃ、挿入れたらそれこそあっという間にオシャカね。ちゃんとゴムつけないと危ないわ」 恵理子の柔らかい手が信二のペニスをゆっくりと扱いていく。 急に無口になる信二。口を開くと喘ぎ声が漏れてしまいそうだった。 「じゃあ、まずはいつも通りに見せて貰おうかしら」 再びソファに腰を下ろすと恵理子は信二を招き寄せる。 「脱がせて頂戴」 恵理子は軽く両脚を開いて信二に命令した。 信二の目が恵理子の股間に釘付けになる。 薄暗いスカートの中、むっちりとした両ふとももの根元で豪華なレースの施されたベージュのパンティーが、恵理子の股間の膨らみをくっきりと形作っていた。 信二は息を荒げながら両手をスカートの中へと差し込んでいく。指先から伝わるふとももの感触と恵理子の全身から発せられる香水交じりの甘い体臭に頭がクラクラした。 信二の指がパンティーの両サイドにかかると、恵理子は軽く腰を上げ、信二をアシストする。 信二は恵理子の腰からパンティーを摺り下ろして、そのまま一気に両脚から引き抜いた。 湯気が出そうなほど温かいパンティーを目の前に掲げ、信二は恵理子に見られているのも忘れてうっとりする。 「さ、好きに使いなさい」 恵理子の言葉に、信二はパンティーを広げると、つい先ほどまで恵理子の股間が密着していた部分の布地に鼻を押し付け、深く息を吸った。 「くふぅっ……!」 鼻の奥がツンッとするような酸っぱい匂いが肺を満たし、その麻薬的な臭気に目はとろんと焦点を失う。 信二はパンティーの股布が放つ生臭い芳香を夢中で嗅ぎながら、硬く勃起したペニスを一心にしごきたてた。 既にペニスの先端からは透明な粘液が流れ出し、それが潤滑油代わりになってニチャニチャと卑猥な音をたてている。 恵理子は自分の下着を使って自慰にふける信二の姿を嬉しそうに眺めていた。 やがて信二の手の動きが速まり、射精の瞬間が近いことを恵理子に知らせる。 恵理子は信二の背後に移動すると、耳元でそっと呟いた。 「最後は私が手でして上げるから、いっぱい射精しなさいね」 恵理子は信二を四つん這いにさせると、背後から手を伸ばしてペニスを優しくしごき始めた。 「うっ! あ、あぁっ……」 堪らず信二が声を漏らした。その声に恵理子の手が動きを速めていく。 「ほら、もう我慢できないでしょ。お尻の穴、ヒクヒクしてる」 そう言って恵理子は、目の前で妖しく蠢く信二の尻の中心、茶褐色のアヌスに唾液で濡らした舌を突き立てた。 「あうっ!」 甲高い声を上げて信二の腰がビクッと跳ねる。恵理子は構わず信二のアヌスを舌でほぐしながらペニスを激しく揉みし抱いた。 「前も後も責められて堪らないでしょう。さあ、ドピュドピュって射精しちゃいなさい。とっても気持ち良いわよ」 前後から与えられる身も蕩けるような快感と、恵理子の子供をあやすような甘美な言葉責めに成す術も無く、信二はブルブルと腰を震わせながら恵理子の温かい手の中で射精した。 ビュクンビュクンという脈動と共に、恵理子の掌に熱い精液がぶちまけられ、フローリングへと零れ落ちていく。 「ほらほら、もっと息んで! 一滴残らず、ミルクを吐き出しなさい!!」 恵理子はペニスの根元を強く握って、牛の乳でも搾るように乱暴にしごき立てる。 「あぅっ! あぅっ! あうぅぅっ!!」 しごかれるたびに股間の中心に快電流が走り、信二は意思と無関係に、ほとんど透明になった残液をペニスの先から垂れ流した。 「あら残念、さすがにそろそろ打ち止めみたいね」 ペニスの脈動がおさまったのを確認すると、恵理子は掌に溢れる搾りたての精液を舌で美味しそうに舐め取った。 「んっ! すごく濃くって美味しいわ。毎日搾ってるのにこれだけ濃いんだから、若いって事は素晴らしいわね」 恵理子はうっとりとした表情で呟くが、当の信二はぐったりしてフローリングに突っ伏してしまい、全く聞いていなかった。 「ほら、いつまでも余韻に浸ってるんじゃないの。これくらいでだらしが無いわよ」 恵理子の言葉に反応した信二が起き上がろうとするが、足腰が立たない。 「まさか腰抜けちゃったの? よっぽどお尻が良かったみたいね。そう言えば、いつもよりだいぶ量も多かったみたいだし」 恵理子は信二の尻を撫でながら笑った。 「しょうがない。あんたの初体験は騎乗位に決定ね。まあ、私としては生意気な中学生を無理矢理犯すみたいで気分良いけど」 「か、勝手に決めるな! 犯すのは俺だ。お前みたいなババァ、バックからめちゃくちゃにしてやる!」 やっとの事で起き上がった信二は威勢良く抗議するが、腰から下はすっかり痺れて、今にも膝から崩れ落ちそうだった。 「その状態で犯すだの、めちゃくちゃにするだの、吼えるあんたの神経が信じられないわ。私はあんたの貧弱な腰が回復するまで待ってられないの!」 恵理子はスカートを脱ぎ捨てると、信二を無理矢理フローリングに押し倒した。 そして、ヒップを信二の顔面に押し付け、強引にシックスナインの体勢を取る。 「むぐ…むぐぐっ!」 呻く信二を無視して、恵理子は萎えたペニスを咥え込んだ。 「ひぃっ!」 ペニスの芯に刃物で切られたような鋭い快感が走った。 射精直後で敏感になっている亀頭に恵理子の舌が絡みつき、電流でも流し込まれたみたいに下半身が跳ね上がる。 「少しの間だけ我慢しなさい! すぐに気持ち良くしてあげるから」 恵理子はヒップで信二の顔面を押え込むと、舌先でペニスにたっぷりと唾液を絡めた。 下半身から伝わるぬるりとした感触と初めて目の当たりにする女の淫裂に、すっかり信二は静かになり、逆にペニスはもりもりと力を取り戻した。 「どう、ババァの実力は?」 恵理子はえっへんと胸を張った。 「違うね。これは俺の若さだ。俺の実力だ」 顔を背け恵理子の尻から逃れつつ信二が言い返す。 「ほう。若さに実力。見せてもらおうじゃないの。でもその前に、年寄りにばかり働かせてんじゃないの。少しは返しなさいな」 恵理子は信二の目の前で尻を振った。 「そ、それは良いけど、もう少し色っぽく誘ってくれ」 これまで抱いてきた年上の女性への幻想を打ち砕かれ、信二はしょんぼりしながらも恵理子の薄いピンク色をした粘唇にむしゃぶりついた。 「あ、いい、それ、すごくいい。飢えたけだものに貪られるような感じが堪らない」 (飢えたけだものって……他に言い様は無いのかよぉ……) 信二は恵理子の身体に興奮しながらも複雑な気持ちだった。 「ねえ、もっと下の方。膨らんでるとこわかる? そこお願い、ね」 恵理子の指示に従って信二の舌は濡れたスリットを下り、グミのような感触の肉芽に辿り着いた。 (これがクリトリス……なのか?) 名前だけは知っていたが実物を見るのはもちろん初めてだった。 信二は興味津々で肉芽を舌で転がしたり強く吸ったりした。 「あぁぁぁっ!」 信二の強い愛撫に恵理子が悲鳴のような声を上げる。 その声に驚いて信二の動きが止まった。 「なんで止めるのよ! もっと、もっと続けなさい!!」 恵理子に叱咤され信二は慌てて愛撫を再開する。 今度はゆっくりと舌を絡め、優しく舐め上げる。 「あ、はあぁ……」 恵理子の声が鼻に掛かったような甘い声に変った。信二は夢中で舌を動かし、気が付くと恵理子のアヌスにまで舌を這わせていた。 不思議と汚いとは思わなかった。つい先ほど恵理子にアヌスを舐められた時、信二は驚きと快感、そして恵理子に対する感謝のような気持ちを抱いた。今度は自分が御返しをしたかった。 「あっ、ああっ、お尻も舐めてくれのね。嬉しいわ。私、そこ大好きなの。まさか中学生に舐めて貰えるなんて思わなかったわ」 しおらしい恵理子の言葉が信二の心に火を付けた。もっと恵理子を喜ばせたいという素直な気持ちから、信二は指と舌を総動員して愛撫する。 恵理子の淫裂から溢れ出す愛液が、信二の顔をびしょびしょに濡らしていった。 「う、嘘、いきそう! 私、もう……いく、イクッ、イクゥッ!!」 信二の目の前で突然恵理子の尻がガクガクと揺れ出し、やがてぐったりと動かなくなった。 恵理子がイッた事に信二が気付くまでには少し時間がかかったが、オーガズムの余韻に浸る恵理子の満足げな吐息を聞く内に、自分の愛撫で恵理子をイカせたという、何とも言えない喜びが信二の胸に湧き起こった。 「い……イッたんだよね?」 信二は恐る恐る確認してみる。 「ええ……そうよ。イッたの。すごく良かったわよ。ありがとう」 恵理子の言葉が頭に響いた。信二はつい先ほどまで平気でババァと呼んでいた恵理子が愛しくて仕方無くなっていた。 同時に無神経な言葉で傷つけた事を深く後悔した。 「あぁ……気持ちよかった」 身体を起こして腰の上に馬乗りになる恵理子を、信二は無言で見詰める。 「黙っちゃって、どうしたの?」 「いや、その……えっと……名前……教えて貰えないかな」 信二は頬を赤く染めて、おずおずと尋ねた 「あらあら。私がイクとこ見て情が湧いちゃったのかしら?」 「そ、そんなんじゃないけど、でも、幾らなんでもババァってのは……」 照れくさくなって、つい顔を背てしまう。 恵理子はそんな信二の両頬に優しく手を添え、正面を向かせた。 「今さら自己紹介も何だけど、私の名前は恵理子よ。 西田恵理子 宜しくね」 恵理子はそう言って微笑むと信二にそっと口付けた。 それは信二にとって生まれて初めての、そして二人にとって初めてのキスだった。 「お、俺は……」 照れ隠しに慌てて自己紹介をしようとする信二の唇に、恵理子が人差し指を軽く添えた。 「酒巻信二君よね」 優しく微笑む恵理子に信二はドキッとした。 「なんで名前知ってるの?」 「なんでって、家の前でいつも友達と話してるじゃない。友達はみんな君の事を名前で呼んでるわよね」 恵理子の言葉に、信二は悪友三人を思い出す。 「ごめんなさいね。本当はそんなに煩くないんだけど、このところずっとイライラしてたからつい怒鳴っちゃったのよね。で、信二君たちにババァ、ババァって呼ばれるもんだから余計に頭に来ちゃって」 申し訳なさそうに謝る恵理子の姿に、信二は罪悪感を感じた。 「いや、恵理子さんは……悪くないよ。夜に騒いでた俺達が悪いんだ」 信二は少し恥ずかしそうに恵理子という名を口にした。 「急に素直になっちゃったわね。でも、ありがとう。そう言ってもらえると救われるわ。信二君たちに怒鳴りながら、私はもう駄目なんじゃないかって思ってたから……ってもう駄目か。こうして中学生の信二君に猥褻な行為を……」 おどけて見せる恵理子に、我慢できなくなって信二は尋ねた。 「やっぱり……旦那さんが死んじゃ……亡くなったせい?」 慌てて言い直す信二に恵理子は微笑む。 「ええ、多分。いきなり旦那がいなくなって最初は何が何だかわからなかったんだけど、時間が経つにつれて一人ぼっちになったんだって、置いてきぼり食ったんだってわかって。どうしようもないくらい恐かった……」 恵理子は笑顔のまま静かに涙を流した。 信二はいきなり起き上がって恵理子を抱き締める。 「一人ぼっちじゃないよ! 俺、旦那さんの代わりにはなれないだろうけど、でも恵理子さんのすぐ側にいるし、恵理子さんの為なら何でもするよ!!」 信二は一気に捲し立てた。本当にそんな事が出来るのかわからなかったが、とにかく恵理子の力になりたかった。 「ありがとう。酷い事した私にそんな事言ってくれるなんて、信二君は優しいわね」 「いや、だってそれは元々俺が恵理子さんの下着を盗もうとしたから……」 「私ね。怒ったフリしてたけど本当はすごく嬉しかったのよ。私みたいなオバサンの下着を信二君みたいな若い子が欲しがるなんて思っても見なかったから」 信二の言葉を遮って、恵理子は嬉しそうに言った。 「オバサンって、恵理子さん幾つ?」 「幾つに見える?」 恵理子は腕組みをして尋ねた。 「うーん。女の人の歳ってよくわからないんだよな。二十八歳……ぐらいかな?」 「フフフッ、信二君は良い子ね。御褒美にキスして上げる」 恵理子は満面の笑みを浮かべると両手で信二の頬を撫で優しく口付けた。 訳がわからずに信二は目を白黒させる。 「で、正解は?」 「今年で三十一歳になってしまいました」 恵理子はわざとらしく溜め息を吐いて見せる。 「なんだ、俺の予想と大して変んないじゃん」 「二十八と三十一じゃ大違いよ。まあ例え二十八歳でも信二君から見たら充分オバサンだろうけど」 「ふーん。そうゆうもんなんだ。でも俺、歳は関係ないと思うけどな。幾つだからオバサンって訳じゃなくて、オバサンっぽいからオバサンって言うんじゃない? 少なくとも恵理子さんは全然オバサンって感じじゃないよ」 「あらあら、そんな事言われたらキスぐらいじゃ足りないわね。何かして欲しい事ある?」 そう言うと恵理子は信二の鼻に自分の鼻を軽く触れさせた。 恵理子の甘やかな吐息が唇をくすぐる。 「え、いや、して欲しい事……とはちょっと違うけど、俺の腰、元に戻ったみたいだからさ、もしよかったら……」 「私みたいなババァをバックからめちゃくちゃにしたいってわけ?」 恵理子はクスクスと笑った。 「いや、だからさっきそう言ったのは勢いであって、今は……」 しどろもどろで弁明する信二をじっと見つめ、恵理子は言葉の続きを待った。 「今は……恵理子さんの顔を見ながら恵理子さんを……その……抱きたい……」 顔を真っ赤にして言い切る信二の言葉に恵理子は優しく微笑んだ。 「私も信二君の顔を見ながら信二君に抱かれたいわ。さ、脱がせて頂戴」 恵理子の求めに応じて信二が恵理子のセーターを脱がせるとベージュの色っぽいブラジャーに包まれた豊かな乳房が姿を現わした。 ブラジャーによってくっきりと形作られた双丘の深い谷間に、信二の目は釘付けになる。 「ブラもお願いね」 信二は両手で恐る恐る恵理子の背中をまさぐるとブラジャーのホックを探し当てた。 が、上手く外せない。信二は焦った。 「こ、これどうやって外すの?」 「落ち着いて。両端を掴んで上下にずらせば簡単に外れるわ」 信二が言われた通りにするとホックはあっけなく外れ、束縛を解かれた両乳房が弾けるように零れ出した。 ブラジャーによる支えを失ったにも関わらず、恵理子の乳房は見事な張りを保ち、ぷっくりと膨らんだ乳首はつんと上を向いていた。 その美しさに信二は我を忘れて見入ってしまう。 「信二君は見るだけで満足なの? これは今、信二君の物。好きにして良いのよ」 恵理子はニヤリと笑い、信二に見せ付けるように両手で乳房を持ち上げた。 その鮮烈な光景に信二は本能の赴くまま恵理子の胸にすがり付くと両手で乳房をめちゃくちゃに揉みし抱いた。 「恵理子さんっ、本当はずっとずっとこうしてみたかったんだ!!」 信二は夢中で恵理子の乳房を揉み、乳首にしゃぶりつく。 「そ、そうよ……そう。思う存分味わってちょうだい。あっ、ああっ……」 恵理子は信二の頭を激しく抱き締めながら熱く悶えた。 「ね、キスして! 今度は舌を入れて!!」 切なげな声に誘われ、信二が唇に吸い付いた途端、口内に恵理子の舌が踊り込んで来る。 差し入れられた恵理子の舌は信二の舌を絡め取り、あやすように弄んだ。 濃厚な大人のキスに翻弄され、信二は恵理子の為すがままだった。 恵理子はキスを続けながら信二を抱いて自ら横になり、信二の股間へと手を伸ばす。 ペニスは既に破裂せんばかりに勃起していた。 「フフフッ、もう準備はできてるわね。さあ、来て頂戴。この中に押し込むのよ」 恵理子はペニスを自らの潤った淫裂へと導いた。 「で、でも、コンドームは?」 不安げに言う信二に、恵理子ははっきりと言った。 「今日は大丈夫な日だから安心しなさい。中に好きなだけ射精して良いのよ」 膣内射精という甘美な響きに信二の胸が高まる。 「ほ、本当に中で出して良いの?」 「ええ、信二君の熱いのをいっぱい感じたいから、射精する時は一番奥でお願いね」 「わ、わかった。じゃ、じゃあ、いくよ?」 「きて……」 静かに瞼を閉じる恵理子を見つめながら、信二がゆっくり腰を突き出すと、ぬるっという感触と共にペニスの先端が淫裂を割った。 開かれた秘唇から熱い粘液がとろりと流れ出し、床に液溜りを作る。 信二は身も蕩けるような挿入感に震えながら、恵理子の胎内にペニスを根元まで埋め込んだ。 膣の中は驚くほど熱く、濡れた肉ひだがぺたぺたと吸い付いてはペニスを膣奥深く飲み込もうと妖しく蠢いた。 「あはぁ……いいわぁ。信二君のすごく良い感じ」 恵理子はうっとりとした表情で信二の両肩に手を掛ける。 「さあ、遠慮しないで好きに動いて良いのよ。私をめちゃくちゃにして頂戴」 恵理子に促され、信二はゆっくりと腰を前後に動かし始めた。 柔肉とペニスが擦れ遭い、えもいわれぬ快感が背筋を駆け上って、脳に炸裂する。 信二は恵理子の感触を少しでも長く楽しもうと、射精への欲望を必死に抑えながらリズミカルに腰を動かしていく。 信二が腰を突き出す度にペニスの先端は恵理子の胎内深く突き入れられ、子宮口へと強く打ち付けられた。 「あんっ! あんっ! あんっ! すごっ、お、奥に、奥に当ってるわ!」 激しく首を振りながら恵理子が喜びの悲鳴を上げる。 「恵理子さんっ、ごめん! 恵理子さんの中、気持ちよすぎて俺、そんなに長く持ちそうにない!」 必死に腰を振りながら、信二は苦しげな表情で訴えた。 一度射精を終えていたので、少しは耐えられると思っていたが、恵理子の柔管の具合があまりに強烈だったため、あっという間に射精感が込み上げてきてしまう。 「いいのよ! 我慢なんかしないで、好きな時に射精して! わ、私の子宮に信二君の熱いのをぶちまけて頂戴!!」 そう叫びながら恵理子は、信二の射精を促すように自らも激しく腰を振り始めた。 元人妻という経験を存分に活かした巧みな腰使いによってペニスは激しくねじられ、たっぷり濡れた膣の粘膜に揉みくちゃにされ、始めて知るセックスの快感に信二は恍惚となる。 「うあっ、ね、ねじれるっ! そ、そんなにしたら、で、射精ちゃう! 射精ちゃうよ!」 限界を悟った信二は恵理子の尻を掴んで思い切り腰を突き出し、ペニスの先端を子宮口に強く押し付ける。 亀頭に感じる子宮口のこりこりした感触が、信二にとどめを刺した。 「うっ!」 呻き声と共に信二の腰がビクッビクッと痙攣し、一瞬、ペニスが恵理子の胎内で膨らんだかと思うと次の瞬間、ぐつぐつと煮えたぎった白濁液が子宮にぶちまけられた。 「あひぃぃっ!」 恵理子は熱い欲望のエキスを子宮に浴びせられ、身体の芯を焼かれるような錯覚を覚える。そして、その刺激が引き金となって遂に恵理子の肉体がオーガズムを迎えた。 「わ、私も……い、イクわ……あっあっあぁああああ、イクッ、イクッ、イックぅぅ……!!」 歯を食いしばり、狂ったように髪を振り乱す恵理子の全身がガクガクと激しく揺れ始め、やがて背中を弓のように反らせて最後の悲鳴を上げると、力尽きたようにがっくりと崩れた。 絶頂の余韻にヒクヒクと痙攣する恵理子の胎内から、全てを吐き出し、力を失った信二のペニスがぬるりと抜け落ちた。 「あ、あのさ……あの、奴隷契約のことなんだけど……」 快楽の余韻に浸る恵理子に、信二は言いづらそうに話を切り出す。 「あぁ、その事ね。もう充分よ。契約解消しましょう」 思い出したように、恵理子は気だるい返事を返した。 「いや、そうじゃなくて! そうじゃなくて……契約内容を変えて貰えないかなって」 信二の真剣な言葉に、恵理子は起き上がるとあぐらをかいて信二に尋ねた。 「どう変えたいの?」 そう言う恵理子の表情は興味津々と言った感じだ。 「うん……奴隷契約じゃなくって、こ、恋人契約とか何かに……」 耳まで真っ赤にして言う信二に、恵理子は思い切り吹き出した。 「俺、何か可笑しい事言った?」 笑われて信二は少しむっとする。 「ごめん、ごめん。まさかそうくるとは思わなかったから」 尚も笑いながら、恵理子は信二を拝んで見せた。 「まあ、愛人契約とかは予想してたけどね」 「俺、恵理子さんを愛人に出来るほど金持って無いから」 「それに信二君と私じゃ、どっちがどっちの愛人かわからないしね」 くすくすと笑う恵理子に、信二は真剣な顔で聞き返す。 「で、答えは?」 「そうねえ。信二君は本気なのよね?」 恵理子の問いに信二は黙って頷いた。 「ふむふむ……うん、OK。じゃあ、そういう事にしましょうか」 恵理子の返事に神妙だった信二の顔が一気に華やいだ。 「本当!」 「ええ。でも、きっと後悔するわよ。何たって私、今年で三十一歳なんだからね」 念を押すように恵理子は言う。 「そんなの関係ないよ! 俺、恵理子さん大好きだもん!!」 何の臆面も無く言い切る信二の言葉に、恵理子の胸は熱くなった。 しかし同時に、信二に対する罪悪感もまた、確実に胸を蝕んでいた。 「私も信二君が大好きよ。これから宜しくお願いね」 笑顔で言いながら、自分の口から吐き出される言葉の空しさを恵理子は噛み締める。 そんな恵理子の胸中に、信二は気付く筈も無く、 「ま、任せてよ。俺頑張るからさ!」 と、鼻息荒く胸を叩いてみせた。 思わず涙が零れそうになった恵理子は、涙を見せまいと信二を抱き寄せる。 「うん……私も頑張るから……だから信二君も……ね」 男らしい信二の身体をきつく抱き締めながら、恵理子は心の中で泣いた。 4 翌日の昼前。恵理子の家の前に一台の大型トラックが停まった。 そのトラックから降りてきた数人の男達によって、家の中の物全てが手際よく運び出され、トラックに積み込まれた。 最後の出発を前にして、がらんとなったリビングに恵理子は一人佇む。 「信二君、怒るでしょうね。でも……これで良かったのよね。これで……」 自分に言い聞かせるように呟いた恵理子は、(信二君へ)と書かれた一通の封書をリビングの床に置いた。 玄関を出るとトラックの後ろに恵理子を迎えに来た車が停まっていた。 車の助手席に乗り込み、フロントガラスを通して我が家をしみじみと眺める。 亡き夫と信二の面影が浮かんで、恵理子は胸を詰まらせた。 やがて車が走り出し、住み慣れた家がサイドミラーの中を遠ざかっていく。 未練を断つように視線を正面に戻した瞬間、思わず恵理子は息を呑んだ。 前方から学生服を来た信二が駆けてきたのだ。 目が合ってしまうのではと心配したが、信二は恵理子に気付かず、そのまま車とすれ違った。 サイドミラーの中、信二は誰も居ない家へと駆けていく。 その背中に向かって恵理子は小さく囁いた。 「ごめんね、信二君。私、嘘をついたわ。昨日、本当は危険日だったの。信二君と私の子供、もし出来ていたら私、大事に大事に育てるから……だから許して頂戴ね。信二君……さようなら」 恵理子は子宮のあたりを愛しげに撫でながら、涙を堪えて微笑んだ。 ミラーに映る信二の背中は急速に遠ざかり、そして見えなくなった。<了> |