シスターコンプレックス

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第六章

「先生の言っていた一番大切な人って、妹さんのことだったんですね」
 よりによって最悪の展開になってしまった。こんなことなら、玉砕覚悟でもっと早く嘘を告白しておけば良かった。
「ええ、たった一人の妹ですもの。それに私のせいで、あの子には随分つらい思いをさせてきたから」
 そのつらい思いの中には、祐一に関してのことも含まれているのだろう。
 冷静に言う杏子の顔には後悔が滲む。
 あの一件以来、プールはおろか、学校にも亜美は来なくなってしまった。
 杏子が母親から聞き出した話によると、すっかり自室に引き篭っているらしい。
 祐一と杏子で幾度も電話をかけ、自宅を訪ねもしたが、まったく反応は無かった。
「僕がぜんぶ悪いんです。見栄を張って、つまらない嘘を吐いたから……」
「それも原因の一つではあるけれど、やっぱり巡り合わせが悪かったんだと思うわ。三人が三人とも、まさか……て思っていたんですもの。私には祐くんを責められない。ただ私も祐くんも亜美に謝らないといけない。あの子が一番傷ついている筈だから」
 異論はなかった。しかし、その機会は与えられるのだろうか。自室に引き篭ったままの亜美と、どうしたら話ができるのか。
「僕は……どうしたら良いのでしょう?」
「いま祐くんに出来るのは受験に集中することだけよ。亜美については冷却期間が必要だと思うの。だから、しばらくは私に任せて、まずは受験に合格してちょうだい」
 残念ながら、杏子の言う通りだった。祐一にできることは一つだけだ。
 初詣の時には勢い余って、受験など別に落ちてもかまわない、なんて願ってしまったけれど、一生懸命に教えてくれている杏子の思いを無にする行為だった、と今では反省していた。
 それから受験までの一月、祐一はひたすら勉強の日々を過ごした。そして、やってきた試験前夜。一本の電話が杏子から入る。
「こんな大事な時にごめんなさい。亜美がいなくなったらしいの」
 母親が今日、気付いたというだけで、いつからいないのかはわからないそうだ。
 そんな馬鹿な話があるか!
「彼女が行きそうな場所ってわかりませんか?」
「両親が離婚してから、私と亜美はほとんど離れて暮らしていたの。最近の亜美について一番詳しいのは多分、祐くんだと思う。心当たりはないかしら?」
 詳しいと言われても、亜美と過ごした時間は杏子と過ごした時間よりずっと短い。
 いっしょに行ったことのある場所だって、最初に出会ったプールに再会した学校、初詣に行った神社に最後の別れ道となった亜美の自宅、それくらいだった。
 そこから消去法で絞っていくと……、
「多分、神社だと思います。これから行ってきます!」
 杏子の返事も待たずに受話器を置くと、祐一は家を飛び出していた。
 
 二月の凍てつくような夜風が無人の境内を吹き抜けていく。打ち捨てられた神社に灯りなどあろうはずもない。なのに社の中だけが、何故だかぼうっと明るかった。
「やっぱり、ここか」
 二人で願をかけあった場所だ。明日の試験に受かるよう、亜美は祈ってくれているのかもしれない。祐一は自分の勘が当たったことに安堵して足早に近づくと、朽ちかけた格子戸を覗き込む。そこで見たものは……、
「あ、亜美っ……」
 足元を囲むように灯された蝋燭の炎に照らされ、社の古柱に縛り付けた藁人形を、一心不乱に釘打つ亜美の姿だった。
「あひぃっ!」
 情けない声を挙げ、祐一は逃げ出しそうになる。少しやつれたように見える亜美は相変らず可愛かったが、そんな可愛い娘が狂ったように釘を打ち続けている様子は、恐怖そのものだった。
「泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら釘十本、泣かしたら……」
 虚ろな目で繰り返し囁きながら、一回一回力を……いや、怨念を込めて金槌を振り下ろし、不恰好な藁人形を貫いた釘の、古柱にカッ、カッ、と突き刺さる音が社の中に響き渡る。
 祐一はほとんど失禁しそうだった。でも、このまま帰るわけにはいかない。
 ありったけの勇気を振り絞って格子戸を開け、無理やり明るく話し掛けた。
「や、やあ亜美。こんなところで何してるんだい? 寒くて風邪ひいちゃうよ?」
 亜美の釘打つ手がぴたりと止まる。そして、
「ミーターナー……」
 ゆっくりとこちらを向いた亜美は薄笑いを浮かべ、金槌を片手に駆け出してくる。
 ダッ! ダッ! ダッ! ダッ! ダッ!
 ポニーテールを振り乱し、スカートの裾を羽ばたかせて迫り来るその姿は、能楽『道成寺』で語られる清姫のようだった。
(こ、殺されるっ!?)
 額に釘十本という冗談が現実になってしまうのか。すっかり足がすくんで祐一は動けず、きつく瞼を閉じて恐怖に耐える。
 次の瞬間、身体に衝撃が走った。けれどもそれは、とても心地の良い衝撃だ。
 頬に擦り寄る柔らかな感触。鼻をくすぐる甘酸っぱい芳香。腕に伝わる温かな体温。
 恐る恐る目を開けると、胸の中に亜美がいた。
「びびりましたか? 先輩」
 顎の下から楽しそうに囁く声は、祐一の知っている可憐な女の子のものだった。
「そ、そりゃびびるよ!」
「やだ、先輩ったら。冗談に決まってるじゃないですか。じょ・う・だ・ん!」
 可愛く言っても、にわかには信じ難い。心臓はまだばくばくと嫌な音を発てている。
「冗談って……もう五本くらい釘刺さってんじゃん! あんな藁人形まで作って」
 不器用なのに頑張って作ったのだろう、手作り藁人形はえらく不恰好だった。
「私、賭けをしていたんです。釘を十本打ち終わるまでに先輩が現れなかったら、諦めようって。もし来てくれたら……」
「もし来てくれたら?」
「私もお姉ちゃんに負けないくらい先輩を好きです……って、告白しようと決めたのでした。めでたし、めでたし」
 めでたい……のか?
「他の女の人ならともかく、私たちは姉妹ですから、よくよく考えたら、先輩を二人の共有財産にすれば良いんですよね?」
 本当に?
「でもその場合、先輩はお姉ちゃんと私を、平等に扱わなくちゃいけません。先輩はお姉ちゃんとセックスをしました。だから、私ともしないといけないんです」
「なにぬっ!?」
 一方的に話し続けた亜美はとんでもない結論に行きついた。もちろん祐一としては願ったり叶ったりの展開ではある。とはいえ、まずは亜美に謝るべきだと思った。
「と、とにかく、謝らせて欲しい。嘘を吐いてごめん。僕の名前は……もう知っていると思うけど、印南祐一っていうんだ」
 祐一は嘘を吐いた理由から杏子との経緯、三人のすれ違いを一通り話して聞かせた。
 黙って聞いていた亜美は最後にぷっと噴き出して、盛大な笑い声を挙げる。
「あははははっ!」
 杏子の部屋で聞いたのとはまったく違う、素直な笑い声が嬉しい。
「見栄っ張りなんですね。先輩は」
「女の子の前では、男はみんな見栄っ張りだよ。それにさ。会ったんだよね? 本物の上杉に」
 あんなスーパーマンみたいな奴と比較されたら、敵いっこなかった。
「だから?」
「え……いや、その……」
「ただ優れているからという理由で人を好きなるわけではありません。先輩は条件が良いからお姉ちゃんとしたんですか? もしそうなら、私の出る幕はありませんが」
 亜美の弁舌に圧倒され、祐一は二の句が継げない。
「それに私の知っている上杉涼さんは先輩、あなたです。先輩はまだ答えてくれていません。私さっき、告白したんですよ?」
 そうか。告白できて、めでたし、めでたし、だったのか。
「えーと、ぼ、僕も……亜美が好きだ。先生とのこともあるから、信じてもらえないかもしれないけれど」
「恋する乙女は盲目ですから、基本的には信じます」
「基本的に?」
「後は態度で示してください」
「こ、ここで?」
「そうです。でないと残りの五本を突き刺します。今度は先輩の額にっ!」
 選択の余地は無かった。
 
 エプロンドレスを脱がすと、亜美はなんと競泳水着を着ていた。
 頼りない蝋燭の炎に照らされて、きらきら輝くボディラインはとても妖艶に見える。
「えへへ、これ着てると暖かいんです」
 照れ臭そうに笑う亜美を祐一は抱き締めてしまった。こんな女の子、他にはいない。
「まずはキスをしてください」
 そう言って亜美は静かに瞼を閉じた。多分に幼さを残した少女の顔立ちの、余りの完成度に感嘆の溜息が漏れる。長い睫毛に小さな鼻、つやつや光るピンク色の唇に吸い寄せられて、祐一はうっとりとくちづけた。
「んっ……」
 ぴくりと震えた細い身体をしっかり抱き締め、ちろちろと舌先で唇を舐めてやる。
 意図に気付いたのか、亜美はおずおずと唇を開き、祐一の舌を受け入れた。
 ぎこちなくも懸命に吸いついてくる舌はほんのりミルクの味がする。舌を絡めるたびに敏感に反応する亜美は、口移しで親から離乳食を貰う赤ん坊のようだ。
 かつて姉から受けたキスのレッスンを、今度は妹にしている。そんなシチュエーションが祐一を猛烈に興奮させる。
(僕の手で無垢な亜美の身体に、セックスの悦びを憶えさせていくんだ)
 水着の上から膨らみに触れると、驚いたように亜美は唇を離した。
「む、胸は……その……お姉ちゃんみたいに大きくないから……ごめんなさい」
 申し訳なさそうに呟く亜美の表情には、杏子へのコンプレックスが見て取れる。
 完璧に近い姉と常に比較されてきた亜美は、兄弟のいない祐一には分からない痛みを抱えて生きてきたのだろう。
 祐一は掌に収まってしまう乳房がとても愛しくなり、敏感に尖った乳頭の突起を爪弾きながら、掌全体でこねるように揉みし抱いた。
「あっ! あっ! ああんっ!」
「大きくなくたって、ちゃんと感じてるじゃないか。僕も亜美の胸に欲情している。それで充分だと思うよ」
「ほ、本当ですか? 私の胸でもエッチしたくなりますか?」
 愛撫の快感に身をよじりがら、頬を赤らめて亜美は訊いてくる。祐一は無言で彼女の手を取り、すっかり勃起した自分の股間へと導いた。
「す、すごいです! 先輩のこんなに硬くなってます」
「今だから白状するけど、最初に会った時から亜美の水着姿を見て硬くしてたんだ。クリスマスイブにコーチをした時だってそう。スケベでごめん」
 左右の肩紐をずらし、水着を腰まで引き下ろした。真っ白な上半身が露になり、水着に拘束されていた乳房がぷるんと元の形を取り戻す。
「小ぶりだけど綺麗なおっぱいをしてる。乳首なんて薄ピンクだ。可愛いよ、亜美」
 ぷっくりと膨らんだ乳頭を口に含み、舌先で丁寧に転がす。
「せ、先輩っ……謝らないでください。わ、私もエッチな娘なんです。先輩に後ろから見られてると思うと気持ち良くなってきて、先輩を待たせてるのに、シャワーを浴びながらひとりエッチしちゃったんです」
 その顛末は祐一もよく知っていた。けれど、そこまで白状する必要はあるまい。
 乳頭をときおり強く吸い、濡れ具合を確かめるように中指を添えて、クロッチの膨らみをそっと撫でてみる。
「うぁんっ!」
 快感に耐えられずふらついて、亜美はぎゅっと抱きついてくる。ひざはがくがくと震えており、立ったままでは辛そうだった。
「亜美、ここに座ってごらん」
 祐一は上着を脱いで板張りの床に敷くと、その上に亜美を座らせた。
「さ、寒くありませんか?」
「亜美こそ水着で寒いだろう? お互いに暖め合おう」
 腰を下ろした祐一は、亜美を背後より抱き締めた。
「ああ……先輩の胸、とても暖かいです」
「亜美の胸も、柔らかくて暖かいよ」
 しっかりとバストを揉んでやる。亜美の声はいよいよ甘ったるく鼻にかかって、首が据わらなくなってきた。
「やぁんっ……先輩のエッチ。そんなに胸ばかり触ったら、私、変な気分になっちゃいます」
「何を言ってるんだい? 知ってるんだよ。もう、ここはしっかり濡れてきてるじゃないか。プールに入ったわけでもないのに、何て言い訳をするつもりのかな?」
 ふとももを思いきり開脚させ、こんもり膨らんだ恥丘の中心に指の腹をこすりつけてやる。さらさらしたクロッチ越しに触れるスリットは熱く火照り、なんども擦りつけるうちに、じんわりぬめり気を帯びてくる。
 亜美はふとももを閉じようとして祐一に阻まれ、力無く両手を股間に添えてせめてもの抵抗をした。
「先輩……だ、駄目っ……です。そ、そこはっ……!」
「何が駄目? 本当は気持ちいいんだよね。乳首もこんなに硬くして、おまんこも濡れ濡れ。亜美はいやらしい娘だね」
「いやっ、そんなこと言わないで!」
「僕は亜美みたいなエッチな娘が大好きだよ。だから、直接触ってあげる。これならもっと気持よくなれる」
 窮屈な競泳水着のクロッチを脇に押しやり、隙間から無理やり指をねじ込んだ。
 つるつるした無毛のスリットにぴったりとあてがい、指先に蜜液を馴染ませるようにゆっくりと上下に往復させる。こんにゃくさながらの弾力で圧し返す、若々しい恥丘の触り心地は最高だった。
「指が! 指が動いてます! 亜美のあそこ溶けちゃうよう!」
「ほら、もうぬるぬるだ。亜美のおまんこ、しょっぱくて美味しいよ」
「な、舐めちゃだめぇっ!」
 わざと音を発てて濡れた指先を舐めて見せる。亜美は両手で顔を覆い、いやいやと首を振った。
「だんだんクリトリスも膨らんできた。ここ、いつも自分で触ってるんだよね? ひとりで気持ち良くなってるんだよね?」
 包皮の影からわずかに顔を覗かせたクリトリスに触れると、亜美は喉を詰まらせたように呻いて、背筋をびくんと痙攣させた。
「そ、そこだけは駄目です。そこを触られたら、亜美おかしくなっちゃう!」
「気持ちよくなっちゃう、の間違いだろう? 良いんだよ。僕の指で気持ちよくなってほしい。まずは指でイカせてあげるね」
 指の根元でクリトリスを捉え、腹をぴったりとスリットに押し付けたまま素早く左右に往復させた。指に弾かれたクリトリスはぷるぷると震え、きつく閉じたスリットは濡れた割れ目をぱくぱくと開閉させて生暖かい恥蜜を滴らせる。
「すごいの先輩! 腰から下が自分じゃないみたいです! ああんっ! そんなにしたら、おしっこ漏れちゃうよう!!」
 亜美の口からおしっこという言葉を聞かされ、祐一は杏子の失禁を思い出した。やはり姉妹は似ているということなのか。
「いいよ。我慢は身体に毒だから、このままおしっこしちゃうといい。水着だから濡れても平気だし」
「や、やだっ! またお漏らしするなんて」
「また?」
「う……前にお姉ちゃんにお風呂で苛められて……その……」
 姉妹レズ……そして、風呂で失禁プレイ。なんと甘美な響きだろう。もし機会があるのなら、目の前で見せてもらいたいところだ。
「先生ばかりずるいな。僕にも見せて欲しい。亜美のお漏らしするところ」
「わぁん! みんな変態だよう!」
 と、言いながらも亜美の下腹はぶるぶる震えていた。この寒さの中で水着一枚なのだから、さすがに冷えるのだろう。祐一は是が非でも亜美の失禁を見てみたくなり、両手でスリットを左右に広げると、クリトリスの下にある尿道口を小指でくすぐってみた。
「そ、そこ……おしっこの穴っ! 触っちゃだめです! そこ触ったら、ほんとにおしっこが出ちゃうの!!」
 だめと言われて止める男などいない。祐一は亜美の括約筋を緩めてやるべく、小指で尿道口を悪戯しつつ、同時に親指でクリトリスを転がした。
「ず、ずるい! そ、そんなのずるいよ……」
 いったい何がずるいのか、訴える亜美は早くもぐったりして、力尽きる寸前だ。
 とどめとばかりに祐一は、これでもかという優しい声で耳元に囁いた。
「胸が小さくたって、お漏らししちゃう困った娘だって、僕は亜美が大好きだよ」
「ばか! ばか! 先輩のばかっ! ほんとにもう、幻滅したって知らないんだから。ああっ! だめ……でちゃう。ごめんなさい!」
 最後はしっかり謝って、亜美の腰がぶるりと震えた。瞬間、祐一は手を離し、紺色をしたクロッチは元通り亜美の恥丘を覆う。その生地を貫き、黄金色の飛沫が綺麗な放物線を描いて噴射された。
「見ないで! 見ないでください!!」
 亜美の制止を無視して祐一は凝視し続けた。それどころか手をかざして、体温に暖められた熱い飛沫を受け止める。
「ああっ……亜美のおしっこ、とても暖かいよ」
 亜美はもう何も言わなかった。為すがまま、羞恥と放尿の開放感に呆然と身を任せている。
 しばらくの間、床に落ちる水音だけが社に響き、膀胱が空になったことを告げる痙攣が亜美の身体を揺らした時には、床に大きな黄金色の水溜りが出来ていた。
「苛めてごめんね。でも、おしっこする時の亜美、とても可愛かったよ。綺麗にしてあげるから、四つん這いになりな」
 お漏らしした妹を慰める兄のように、いつしかすんすんと鼻をすすり始めた亜美の頭を撫でながら、祐一は言う。
 すっかり放心した亜美は従順で、言われた通りに四つん這いになると、尻を高くあげて見せた。
「いい子だ。少しだけそのままでいるんだよ」
 祐一は膝を着いて腰を折り、小さなヒップに両手を添える。未だ発育途上の青さを残した尻は杏子に比べてやや硬く、けれど少女の証とも言えるその硬さに祐一は欲情した。突き出された股間の膨らみに目をやると、ぴんと張られて恥丘に貼り付いたクロッチから、ぽたぽたと雫が垂れている。
 ごくりと喉を鳴らした祐一はどきどきしながら顔を近づけ、舌を這わせて雫を舐め挙げた。
「先輩……おしっこしたばかりだから、そこ汚いよ?」
 ふとももの隙間から亜美が言う。
「亜美のおしっこなら汚くなんてない。ぜんぶ舐めてあげる」
 初めて口にする尿は、涙を煮詰めたようにしょっぱい。クロッチから薄っすらと浮き出たスリットの窪みに沿って、祐一は何度も何度も舌を往復させる。
 次第に塩気は薄くなり、舌先に僅かな粘り気を感じ始めた。気がつくと亜美はせつなげな吐息を漏らしており、粘り気の正体に祐一は気がつく。
「感じちゃったんだね。いいんだよ、このまま続けよう。水着……脱がしてもいいよね?」
 目を閉じたまま亜美がこくりと頷くのを確認して、祐一は腰まで下りていた水着を優しく引き剥がす。しかし、全部脱がせてしまうのは惜しい気がして、ふとももの途中で下ろすのを止めた。
(ああ……綺麗だ……)
 恥毛の陰すらない桃色の割れ目が薄く開いて、誰にも触れられていない紅い胎内が覗けていた。そのすぐ上では呼吸に合わせて褐色のアヌスがひくひくと息づき、親にすら見せることのない、亜美の恥ずかしい場所が丸見えになっていた。
「亜美……たまらないよ。亜美のすべてを味わいたい」
 我慢できずにむしゃぶりつき、濡れた秘裂に舌を挿入する。狭い膣孔を押し広げて侵入し、ざらついた胎道の肉壁を舌先で掻き回した。
「な、中で……お腹の中で先輩の舌が動いてる……腰が蕩けそう」
 床に突っ伏し、亜美はお産に臨む妊婦のようにひーふーと荒い息を吐いている。
 止めど無く溢れ出す恥蜜が甘露のように甘く感じた。鼻先はアヌスに擦れ、亜美のものとは思えない生々しい匂いに脳髄が痺れる。
「そんなとこ……匂い嗅いじゃだめ、恥ずかしいよ」
「なら、舐めるのは?」
 返事も待たずにアヌスをぺろりと舐め挙げた。
「あひゃあっ!」
 悲鳴に近い声を挙げて亜美の尻が逃げる。祐一はがっしりと指先を食い込ませて捕まえると、尖らせた舌先を蕾の中心にねじ込み、皺をほぐすようにねぶり続ける。
「いやっ……いやっ……今度はうんち出ちゃう」
 尻を揺すって亜美は嫌がる。祐一としてもさすがにうんちは困るので、名残惜しく舌を抜いた。アヌスはすっかりふやけて充血し、いくぶん脱肛気味に膨らんで、ぱくぱくと開閉を繰り返していた。危ない危ない。
「ごめん、亜美。もう我慢できない。入れるよ。痛かったら言ってね」
「は、はい。来て下さい」
 祐一を受け入れるため、亜美は上半身を起こして顔を上げた。綺麗にしなった背中にポニーテールが降りかかる。
 祐一はジーンズとトランクスを下ろして、いそいそとペニスを引き出すと、濡れ光る割れ目に亀頭をあてがう。興奮はピークに達しており、亜美の中でどれだけ保てるのか、心配になる。と、そこで大事なことを思い出した。
「うっ……コンドームが……無い」
 そういえば杏子に言われたのだ。
(祐くんみたいに辛抱の足らない子に限って、コンドームも着けずにうっかり中出して、女の子を妊娠させちゃうのよね)
 亜美が妊娠……なんてことになっては洒落にならず、けれど、ここまできて中断もしたくない。祐一は困り果ててしまった。
「服のポケットにお姉ちゃんからもらったのがあります。前に先輩が使わなかったものです」
 やはり杏子は偉大だった。亜美のエプロンドレスからピンクの小箱を取り出すと、初めてなので少し手間取りつつ、説明書を読みながら何とかコンドームを装着することができた。
「待たせてごめん。いくよ」
「どうぞ!」
 凛々しい返答を合図に祐一はじわじわと腰を突き出していく。ぴったり閉じたスリットに亀頭が潜り込み、まだ径の広がっていない膣道の頑固な抵抗に突き当たった。
「んくっ!」
 痛みを堪えるように亜美が呻く。そうだ、彼女はまだ処女なのだ。杏子の時のようにスムースにはいかない。祐一は少し怖気づいた。亜美の痛がる姿は見ていられない。
「痛いの? 止めようか?」
「駄目です。止めちゃ駄目……」
「でも……」
「先輩がしてくれないなら、金槌の柄を使って自分でします」
 亜美ならやりかねないと思った。金槌の柄を真っ赤に染める鮮血を想像して、祐一は身震いする。
「初めては先輩にって決めたんです。それが駄目なら相手なんて何でも一緒です!」
「わ、わかった。わかったから、そんなことしないで。頼むから」
 何故だが祐一の方が泣きそうになっていた。
「じゃ、一気にいくよ。少しだけ我慢してね」
 しっかりと狙いを定めると、亜美の腰骨を掴んで力任せに突き入れた。
「痛ッ!……」
 遠慮させまいと我慢してはいるようだが、余りの痛みにさすがの亜美も無言ではいられない。けれど、もう祐一は迷わなかった。亀頭を阻む処女膜を無理やり押し破り、小さな亜美の膣をひと思いに貫いた。
「うぁっ!」
 小柄な亜美の膣はまだ奥行きが狭く、根元まで入り切る前に亀頭が膣奥に突き当たる。衝撃に驚いた膣孔は痙攣してきゅんと引き締まり、杏子の時とは異次元の圧力でペニスを搾り上げた。
「ううっ!」
 腰の中心に火が付いたかと思うと、堪える間も無く、祐一はコンドームの中に射精していた。精液の熱を敏感に感じ取って、亜美の肉壷はひきつけを起こしたようにきつく窄まり、コンドーム越しにもよくわかる、幾重にも重なった柔ひだがうぞうぞと蠢いて、祐一のペニスを奥へ奥へと呑み込もうとする。
 搾乳機で吸い取られるような強烈な吸引力。あまりに大量の精液を一度に抜き採られ、脳が貧血を起こして倒れそうになる。亜美の背中に覆い被さった祐一は、慌てて床に手をついて身体を支えた。
「あぁっ……出てる。コンドーム越しでもわかります。中で先輩の暖かいのがびゅくんびゅくんっていってるの。嬉しい……」
「ご、ごめん。亜美の中、すごく気持ち良くて、我慢できなかった」
 早漏に照れながら、祐一はペニスを引き抜こうとする。痛みばかりで気持ち良くしてあげられなかった罪悪感がちくちくと胸を刺した。
「待ってください。先輩のまだ硬いよ。ね、このまま……もう一度しよ」
「亜美……」
「痛みも和らいで、少しだけ気持ち良くなってきたから……」
 もちろんそれも本心だろうが、やはり気を使ってくれているのだ。
 と、なれば、遠慮などせずに応えるべきだと思った。
「わかった。でも、いったん抜くね。コンドームを換えないとまずいし、今度は顔を見ながらしたいから」
 にっこり笑って賛成する亜美の中からペニスを引き抜くと、堰を切ったように割れ目から血が滴り落ちる。引き抜いたペニスも血まみれで、冷や水を浴びせられたように気が動転してしまう。
「はわわっ!」
「なにを焦っているんですか?」
「いや……そのね……血が……苦手でね」
「あははっ、男の人はそうかもしれませんね。私は見慣れていますから」
 亜美はことも無げに言うと、四つん這いのままポケットティッシュであそこを拭き始めた。
(女の子って強いなぁ)
 手持ち無沙汰になった祐一は、血と愛液でべとべとになったコンドームを外して、ぎゅっと縛る。
「わぁ……たくさん出ましたね。コンドームを使わなかったら、これがぜんぶ私のお腹に出ちゃってたのか。そっかぁ……」
 祐一の手にぶら下がって、たぷんたぷんいっている使用済みコンドームをしげしげと眺め、亜美は目を丸くした。
「そ、そんなに見られると恥ずかしいよ」
「あ……なんか小さくなってしまいました。赤ちゃんのみたい」
 祐一の股間にぶら下がって、ぷるんぷるんいっている使用済みペニスをしげしげと眺め、亜美はまた目を丸くした。
「そんなこと言われたら、もうお婿にいけない……」
「大丈夫です。私とお姉ちゃんで大事にします」
 嬉しいやら情けないやら、亜美はにこにこ微笑んで萎えたペニスをぱくりと咥えた。
「うひぃっ!」
 射精したばかりの敏感なペニスを舐められて、祐一はすっとんきょうな声を挙げる。
 精液で汚れたペニスを口腔に含み、亜美は嫌な顔をするどころか、好奇心いっぱいの表情でもごもごと舌を動かした。
「やった! だんだん硬くなってきました。もう少しで出来ますよね?」
 その子犬にも似た無邪気さに胸を打たれ、祐一のペニスはむくむくと力を取り戻す。
「わぁい、大っきくなった。今度は私につけさせてください。コンドーム」
 先ほどの祐一と同じく、説明書を見ながら亀頭にコンドームを乗せ、指で作った輪を使って根元まで被せようとするものの、クリームで滑ってしまい上手くいかない。
 ペニスを握ったままあーでもない、こーでもないと弄繰り回され、その刺激に触発されて祐一は危うく暴発しそうになってしまう。
「ご、ごめん。早くしてくれないと僕……」
「そっか。こうすればいいんだ!」
 耐える祐一を余所に、亜美は技を発見。亀頭に唇を被せるとコンドームの巻きの部分に歯を充てて、一気に根元まで咥え込む。ペニスの表面に極薄のゴムが吸い付き、亜美の口腔の温かさに唇の柔らかさも加わって、祐一の性感は再び頂点に達した。
「ぷはっ! ようやく上手くいきまし……」
「うっ!」
 亜美が苦労して装着させてくれたコンドームの液溜まりに、祐一はあっさり二度目をぶちまけていた。
「……」
 たっぷりと出た白濁液によってぱんぱんに膨らみ、ぴんと立った液溜まりを見つめて亜美は絶句している。ああ、気まずい沈黙。
「先輩……これはいったいどういうことでしょう?」
「えーと、その……出ちゃいました」
 しおらしく答える祐一は、穴があったら入りたい心境だった。見る見る亜美の顔は紅潮していき、雷が落ちる。
「こらえ性の無いおちんちんには私、釘を刺すべきだと思います!!」
 金槌に手を伸ばそうとする亜美に、すがりついて祐一は懇願する。
「そ、それだけは許してっ!」
「だったら、今すぐ硬くして下さい」
 男の生理をまったく無視したリクエストを投げ付け、祐一を床に押し倒した亜美は、ふとももまで降りていた水着を脱いで素っ裸になり、腰の上に馬乗りになった。
「もう良いです! こんな邪魔なものは要りません!!」
 コンドームを毟り取ってぽいと捨て、漏れ出した精液で練乳のかかったアイスバーみたいになっているペニスを掴むと、そのままスリットへとあてがった。
「ま、待って! そんなことしたら……」
「もし、そうなったら先輩は私だけのものってことです。お姉ちゃんになんてあげません!」
「さっきは共有財産って……」
「そんなことは忘れました」
「早っ!」
「覚悟を決めてください。亜美、行きますっ!」
 むっと口をへの字に結んで、亜美は勢い良く腰を落とした。体重がかかっているのと精液が潤滑剤になっているせいで、ペニスは軽々と膣奥に達する。粘膜同士が擦れ合う生の感覚は、コンドーム越しではとても味わえない、身も蕩ける快感を生み出して、若い二人の喘ぎがシンクロした。
「うぁんっ!」
 結合部には血と精液の混じったピンク色の泡が溢れ、あまりに窮屈な亜美の膣は吸盤のようにペニスに吸いついて、しばらくの間は抜き差しもままならなかった。
「は……入っちゃいました。先輩のが奥まで届いてます」
 感慨深そうに言う亜美に、不安と快楽の狭間で悶える祐一は何も答えられない。
「怖いですか? これは私なりの復讐だと思ってください。お姉ちゃんとはコンドーム無しでしたんですよね? だったら私も……」
 亜美は膝を閉じると競馬の騎手のようにモンキー乗りになって、激しく腰を振り始めた。小さなヒップがバウンドするたびに強力な締め付けでペニスが吸い上げられ、やがて包皮をめくられてはこりこりとした膣奥に突き刺さる。
「うあぁっ! す、すごいのっ! お腹の奥がごつんごつんいってる! 亜美のお腹、裂けちゃいそう!!」
 破瓜の痛みはすっかり収まったらしい。恍惚とした表情で腰を振り乱す亜美は、はやくもセックスの悦びに目覚めたようだった。
「そ、そんなに激しくしたら僕、持たないよ! 本当に中で射精しちゃう! 子供ができちゃうっ!!」
 すこぶる締まりの良い処女の膣に騎乗位で責め立てられ、この世の極楽を味わいながらも、決して快楽に身を任せるわけにはいかなかった。
「大丈夫です。私きっと元気な子を産みますから。安心して下さい」
「そ、そういうことじゃ……ううっ!」
 刺激的過ぎる亜美の言葉に早くも我慢が効かなくなってきた。慌てて両手を伸ばして制止しようとするも、亜美の方が一枚上手で、逆に手首を掴まれて床にはりつけにされてしまう。
 下半身から伝わる快感で、ただでさえ筋肉が緩んでいるのに、体重をかけて圧し掛かられては、腕力だけでは抗えない。
「ほら、先輩! もう我慢できないでしょう!? 私に種を! 私のお腹に先輩の種を蒔いてください!!」
 射精を促すように亜美はわざと膣奥を擦りつける。角度によって子宮口に亀頭がめり込み、内臓を抉っているような感覚に神経がショートしそうになった。
「や、やめるんだ! 亜美、こんなのだめだよ……」
「そう思うなら我慢してください。でも、最後はやっぱりイっちゃうんですよね? こうして腰を振られたら、お姉ちゃんの中だろうと私の中だろうと、簡単に出しちゃうんですよね? それが男の人なんでしょう?」
 確かに今、祐一は復讐されていた。小悪魔な年下の少女にレイプされ、膣内射精を強要されようとしている。つまらない嘘を吐いて、仲の良い姉妹を引き裂きかけた罪への、これ以上ない罰であった。
 今やコンドームの庇護は無く、ペニスにまとわりつく窮屈な膣孔は抗い難い甘美な快楽の門となって、祐一を地獄へと誘う。
 杏子のレクチャーを思い出し、必死に括約筋を引き絞って射精を押し止めようとするも、弾みをつけてずんずんと腰を振る亜美の前にはまったく無駄な抵抗であり、脳が砕けてしまいそうな快感に奥歯を噛み締めながら、亜美の胎内深く眠る、子宮の入り口に向けて、ありったけの精を解き放つ。
「もう、駄目だ! 亜美……出すよっ」
 それは快楽と苦痛からの解放だった。迸る精の滴が電光石火の速度で吹き上がり、亜美の腹の中で見えない爆発を幾度も起こした。
「あ、熱いっ! 今度は直接出てる! お腹が燃えそう! ああっ、身体が変です! これがイクってことなの!? わ、私……私も! ううっ、イクぅッ!!」
 壊れた機械人形のようにがくがくと全身を痙攣させ、亜美は生まれて初めてのオルガスムスを経験する。
 か細い身体を限界まで反り返らせ、快感の大波によって遥か天上の世界まで昇り詰めた亜美は、その頂点で大きく腰を震わせると、精も魂も尽き果て、力無く崩れ落ちてきた。
 強すぎる性感の果てに失神してしまったのだろう。ひくひくと小刻みに痙攣する亜美は半ば白目を剥き、半分開かれた唇の端からだらしなく涎を流して昏倒していた。
 先程まであれほどペニスを締めつけていた膣はぐにゃりとして力を失い、萎み始めたペニスと共に白濁液をたっぷりと吐き出す。
 二人を取り囲み、燃え盛っていた蝋燭はいつしか残り一本となり、その最後の一本も、格子戸から吹き込んだ冷たい風に煽られて、跡形も無く消え去った。
 漆黒の闇に包まれた社の中で、祐一は肌を通して伝わってくる体温だけを頼りに、いつまでもいつまでも、亜美を抱き締め続けるのだった。

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