通い妻 真夏の夜の夢

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第三夜

 真夏の黄昏時はまだまだ明るくて、商店街は随分と賑わっていた。
 あちらこちらの店が堤燈を吊り始め、近づく夏祭りの雰囲気に、通りを歩く人々も何処となく浮き足立って見える。
「仲が良いわねぇ。二人並んで歩いてると、新婚さんみたいに見えるわよぉ」
 八百屋の女将さんに冷やかされて、洋介はどきりとした。
「あらあら、そんな嬉しいことを言われたら、いつもみたいに値切れませんわ」
 隣でスイカを選んでいた詩乃は、にこにこ微笑みながら軽やかに返事をする。
 その横顔は、息を呑む美貌と思わず頬の緩んでしまうような優しさに彩られ、およそ信じ難い若々しさを後光に眩しいくらい輝いていた。
 そんな詩乃と新婚呼ばわりされたことが、例え冗談であったにせよ誇らしく、洋介はスイカで重くなった買い物袋を片手に下げ、嬉々として歩き始める。
「たくさん買ってしまいましたが、重くありませんか」
 肩を並べた詩乃が心配そうに訊いてきた。
「ぜんぜん平気。それよりさ、聞いた? 僕たち新婚夫婦に見えるんだって」
「恥ずかしいですわ。私は若く見られて嬉しいのですけれど、洋介さんにはなんだか悪い気がします」
「僕だってすごく嬉しいよ。ね、もし良かったら、腕を組まない?」
 洋介は軽く肘を突き出して誘ってみる。
「人が見ていますわ。今は手を繋ぐくらいにしておきましょう」
 半歩あゆみ寄った詩乃は、優しく指を絡めて手を握ってくれた。
 柔らかな掌に胸は高鳴り、洋介は道行く人たち全員に訊いてみたいと思う。
(僕たち、夫婦に見えますか?)

 帰り道は長い長い海岸沿いの遊歩道。
 満ちる汐の音遠く聴こえ、駄々っ広い砂浜に見渡す限りオレンジの波が打ち寄せる。
 真っ赤な夕陽に照らされてアスファルトに伸びる影二つ、やや遠慮がちに腕を組み、それでも仲良く寄り添って、一歩一歩を惜しむようにゆっくり歩く。
「ねえ、詩乃さん。明日は一緒に海岸へ行こうよ」
「泳ぎに……ですか」
「そう、泳ぎに。僕さ、夏になると母さんを誘って、よく泳ぎに行ってたんだ」
「お母様も泳ぐのですか」
「そうだよ」
 年齢を気にして恥ずかしがる母親に頼み込み、好みの水着を着てもらった。
 布面積のすこぶる小さい、ほとんど金太郎の腹掛けみたいな際どい水着から、真っ白な手足がすらりと伸びて、海を背景に佇む姿はひと昔前のビールメーカーのポスターそのもの。
 父親が出張の連続で寂しかったのだろう。始めは恥ずかしがってもじもじしていた母親も、最後には無邪気にはしゃいでいた。
 それも今となっては遠い想い出。洋介は少し寂しくなって、詩乃にお願いする。
「駄目かなぁ……母さんの水着もあるんだけど」
「私……実を言うと泳げないんです。水着なんて、ここ二十年ほど着た試しもありませんし……」
 かなづちを恥じているのか、詩乃は俯き加減で申し訳なさそうに言った。
 けれども、海へ行くのを本気で嫌がっているようには見えない。
「だったら、僕が教えてあげるよ。ううん、やっぱり訂正。お願いだから、手取り足取り、僕に教えさせて。水着姿の詩乃さんと海でいちゃいちゃしたいんだ」
 普通は黙って置いた方が良さそうなことも、詩乃の前ではつい口にしてしまう。
 詩乃にだけは嘘を吐いたり、隠し事をしたくなかった。
「洋介さんったら、少し正直すぎますわ。そんなにはっきりとおっしゃられては、相手の女性が赤面してしまいます。それはそうと、私、お母様ほど水着が似合うかわかりませんわよ。スタイルも良くありませんので、サイズも合うかどうか……」
 洋介が正直すぎるというのなら、詩乃は謙遜のしすぎだった。
 詩乃のスタイルが良くないとすれば、世の大半の女性達に立つ瀬は残されていまい。
「ご飯食べ終わったら調べてみよう。それで駄目なら明日買いに行こう。どっちにしても、海で遊ぶのは決まりっ」
 洋介は飛び上がりたいような気分で勝手に予定を決めてしまう。
 長かった遊歩道も半ばを過ぎて、二人の歩みは家へと続く路地の曲がり角に差しかかる。
 一方、遊歩道はそのまま岬の突端へと伸び、遠く入り江の向こうに望む終点では、灯台の跡地に建てられたという小さな古い教会が、ステンドグラスより漏れ出す神聖な光で漆黒の海を照らしていた。
 いつしか海の彼方に夕陽は焼け落ち、残照に染まる空の茜色は宇宙から降りてくる宵闇に溶かされ消えていく。
 凪が終って吹き始めた夜の風を胸一杯に吸い込んで、見上げる遥かな高空には幾つもの星が瞬き始めていた。

「ああっ、おいしかった。もう、お腹いっぱいだよ。ごちそうさま」
 好物の特大オムライスにほうれん草のソテー、コンソメスープと牛乳を飲んで、言うこと無しの晩御飯。もちろん、ちゃぶ台を挟んでする詩乃との食事は、たとえ献立が何であろうと大満足なのだが、翌日に楽しみなイベントが控えているので、今夜は輪をかけて最高だった。
「お粗末さまでした。洋介さんは沢山食べてくださるから、作り甲斐もありますわ」
 洋介の半分も食べてはいないだろう、詩乃はちゃぶ台の向こうから嬉しそうに微笑んで後片付けを始める。
「お粗末なんかじゃないよ。僕、詩乃さんの作るオムライス大好き。それにさ、僕の好物だから作ってくれたんだよね。どうもありがとう」
「いいえ、どう致しまして。洗い物を終えたらスイカを切りますから、ゆっくりしていらしてください」
 洋介の律儀さにくすくすと笑い、詩乃は食器を洗いに台所へと消えた。
 居間に残された洋介は中庭の景色を眺めつつ満腹感にくつろいで、楽しかった食事の雰囲気を反芻する。
 食べながら二人でいろいろなことを話した。
 学校の話、友達の話、異性の話、将来の話、そして、昔話。
 詩乃を相手になら、どんなことでも気持ち良く話せた。
 たった二人きりの食事なのに、一日三食、毎日、毎日、いっしょに食べているのに、不思議と話題に困ることはなく、思えば詩乃が来てからというもの、寂しく食事をした覚えがまるでない。
 以前は母親を相手に話していた事を、今はそっくりそのまま詩乃に話している訳で、いくら感謝しても、し足りなかった。
(詩乃さんがいてくれたから……)
 そう思うとなんだか切なくなり、ちゃぶ台に頬杖を突いて、台所へと視線を移す。
 食器を洗う詩乃のエプロンを巻いた後姿は、見ていてほっとするような懐かしさに満ち、洋介はしばし見惚れてしまう。
 詩乃が家に泊まっていったのは、先日のひと晩きりのことだった。
 翌日からまた、それまでと同じように、夕飯の後片付けを終え、風呂の支度を終えると、詩乃は家へと帰っていった。
 今日という一日も、もう終わる。洋介に残された時間はわずかだった。
(このまま詩乃さんを帰したくない……な)
 今日の詩乃はぴっちりとしたサマーセーターにひざ丈のタイトスカートという、ボディラインのかなり目立つ格好をしている。
 エプロンの腰紐を挟んで上にはほっそりとしたウエストがくびれ、下にはスカートの生地をむちむちと張り詰めさせてヒップが脹らみ、擦れ会う食器の音に釣られて、どちらも艶かしく揺れていた。
 食欲が満たされた後は、性欲を満たしたくなるのが男の性というもの。
 むくむくと頭をもたげ始めた欲求に駆られて立ち上がり、意を決して忍び足で詩乃の背後に歩み寄る。
 災いが迫っているなど露知らず、詩乃は皿を洗いながら上機嫌で鼻歌を歌っていた。
(詩乃さん……エッチなことしたら怒るかな)
 起きている詩乃に自分から手を触れるのは初めてであり、拒絶されるのを恐れて二の足を踏む。
 しかし、その一方で詩乃の怒る様子はまったく想像できず、洋介は一つ大きな深呼吸をすると、思い切ってウエストに腕を巻き付け、そっと抱き締めてみた。
「きゃっ」
 年端もいかない少女のような、黄色い悲鳴を上げて、詩乃は持っていた皿を水桶に落としそうになる。
「よ、洋介さん?」
「ごめんね、詩乃さん。お腹いっぱいになったら、なんだかしたくなっちゃった」
 几帳面にひっつめられた黒髪のお陰で、か細いうなじは剥き出しになり、洋介の顎のすぐ下で真珠色に輝いていた。
 その生え際に擦り付けて鼻をひくつかせると、ほんのり甘酸っぱい爽やかな匂いが頭の中に溢れて、もぎたての青りんごをかじった時のように鼻の奥がきゅんとなる。
 それだけでもう股間はがちがちになって、タイトスカートの暖かな脹らみにぎゅうぎゅう圧しつけては、破廉恥にもその卑猥な弾力を楽しんでしまう。
「洋介さんったら、そんなことをしてはいけませんわ。お大事なものを……そんなに圧しつけられては私、洗い物ができません」
 腕の中で身を固める、小さな詩乃の身体はマシュマロで出来ているみたいに柔らかくて、ほんの少し力加減を間違えただけで華奢な骨格は軋み、がらがらと音を発てて壊れてしまうのではないかと心配になるほどだ。
「僕のことは気にせず続けて。本当に嫌なら、そう言ってくれれば退散するから」
 腕を緩めた洋介は白いうなじに接吻しつつ、エプロンの中に手を滑り込ませる。
「あっ、あっ、待ってくださいっ。す、スイカがもう冷えている頃ですから……きょ、今日のスイカはとっても甘いですよっ」
 危うく吹き出すところだった。若い狼の欲望をスイカで釣って誤魔化せると思っているのだろうか。年齢の割には随分と可愛らしい赤ずきんだ。
「スイカは明日、海で泳いだ後に食べよう。今は僕、スイカよりも季節外れの肉まんとか、おっきな桃が食べたい気分なんだ」
 サマーセーターの上から両手で乳房を鷲掴み、内側から円を描くように揉みし抱く。
 股間をぴったりとスカートに押し当て、軽く膝を屈伸させてヒップの谷間に擦りつけた。
「く、くふぅ……だ、だめですったらぁ……」
 消え入りそうな切ない喘ぎを漏らして、詩乃は皿を割らぬよう水桶に沈めると、エプロンの上からやんわり掌を重ねてくる。
「本当に? 本当にだめなの? 僕、こんなになってるんだよ。それにさ、詩乃さんだって……」
 これでもかと股間を圧しつけながら、今度はサマーセーターの中に手を突っ込み、ブラジャーを無理やり押し上げて乳房を剥き出しにする。
 案の定、乳頭は硬くしこり、山葡萄さながらにぷっくり脹らんでいた。
 人差し指と親指で摘んで優しくこね回すと、詩乃はびくんっびくんっと面白いように身体を痙攣させ、流し台の縁に両手をついて今にも崩れかかる膝を支えようとする。
「はっ……あぁっ……」
 快感に溺れて詩乃は口を利けそうにない。洋介は別の方法で返事を促す。
「もし続けていいのなら、こっちを向いて」
 唇をぐっと噛み締め、押し黙ってしばらく躊躇していた詩乃は、やがて恥ずかしそうに目を伏せたまま、おずおずと腰をひねってこちらに顔を振り向けた。
 その様子は、寝床の中で思いがけず夫に身体を求められた、古式ゆかしい貞淑な新妻のよう。あまりの愛らしさに洋介の頭はくらくらした。
「ありがとう、詩乃さん。わがままばかり言ってごめんね。でも僕、料理をしてる詩乃さんの背中を見ながら、いつも想像してたんだ。いつかこんな日が来て欲しいって。だから許して」
 羞恥と性感が染め上げた、薄桃色の頬にお詫びのフレンチキスをして、洋介は続けざまに詩乃の唇を奪った。
「んっ……」
 暖かい鼻息が頬にかかり、うっとりするほど柔らかな唇に包まれて、互いの体温を交換する。舌先で軽く上唇を舐め上げると、意図を察した詩乃は薄く唇を開き、その隙間に洋介はつるりと忍び込んだ。
 小さな口腔は火傷しそうに熱く濡れ、控えめに差し出された舌を夢中で吸えば、ちゅくちゅくといやらしい液音が鳴って、ほんのり甘い唾液が喉に滴る。
(あぁっ……こんな風に詩乃さんとキスできるなんて、まるで夢みたいだ)
 欲情に頭の芯はずきずきと痛み、トランクスの中で破裂せんばかりに勃起したペニスは、詩乃のヒップに圧迫されて嬉しい悲鳴をあげている。
 乳房にぴったりと押し当てた左の掌を伝って、心臓の鼓動が聴こえてきた。
 とくんとくんと駈け足で脈打つ、そのリズムが何故だか懐かしい。
 サマーセーターから引き抜いた右手で、ふとももに張りついたタイトスカートをまくりあげる。むっちりと張り詰めたふとももの内側に指を這わせ、指先を圧し付けて吸いつくような弾力を楽しんだ。
「んっ、んっ、んっ」
 舌を呑まれたまま詩乃は艶かしく呻き、思いがけずふとももを閉じて抵抗してくる。
 両ふとももにしっかり挟まれ、おいそれと動かせなくなった右手であったが、表裏から同時に柔肉の圧迫を受け、火照った体温に暖められて、まるで滑らかな肌に溶け込むような錯覚を覚えた。
 乳房を掴んだ左手で勃起した乳頭を甘くつねると、心地良い痛みにびくりと身体を震わせた詩乃はあっさりふとももを緩ませ、無防備に急所を晒してしまう。
 その隙にふとももの合間を這い上がり、指先はこんもりと盛り上がったショーツのクロッチを撫で上げた。
「あっ、あふぅっ……」
 堪らず詩乃は唇を離して、苦しげに色っぽい溜息を吐き出した。
 唇から透明な糸を引き、濃厚な接吻の余韻で瞳は虚ろに蕩けている。
 内股で突き合わせた膝をがくがくと震わせ、半ばぐったりとして洋介に背中を預けては、その場に崩れ落ちるのをどうにか堪えていた。
 詩乃のささやかな体重を胸板に感じ、洋介は紅潮してピンク色になった首筋に舌を這わせる。すべすべした生肌にはうっすらと汗が浮き、塗り込まれた化粧水と混ざり合って、少しだけ苦しょっぱかった。
「よ、洋介さんったら……物覚えが良すぎます。あっ、はぁっ、まさかこんなに……こんなに女性の扱い方が上手になるなんて……」
 想い人から最高の誉め言葉を贈られ、洋介は有頂天になる。
「先生の教え方が良かったからだよ。きっとね」
 指先に神経を集中して、クロッチの表面を何度もこすり立てる。
 くちっ、くちっ、とショーツの中から鈍い液音が聞こえ、クロッチの中央はじんわりと湿って、粘り気を帯びた蜜液が滲み出してくる。
「ショーツの外まで染み出してきてる。中はもう濡れ濡れだね」
「い、言わないで下さいっ。私……とても濡れやすいんです」
 そんな耳寄りなことを聞かされては放って置けない。
「だったら、もっと濡らしてあげる。それこそ、お漏らししたみたいにぐしょぐしょになるまでね」
 たっぷりと濡れたクロッチは股に貼り付き、恥丘の凹凸さえ薄布越しに感じられた。
 指の腹で少し強めに圧迫しながら、繰り返し左右に揺らして、隠されたスリットを徐々に押し広げていく。
「い、いやっ、そんなに強くこすらないでくださいっ。ああっ、腰から下が自分ではないみたいっ」
 ぶるぶると腰を戦慄かせ、詩乃は持ち前の貞淑さで下半身をゆさぶる快楽のバイブレーションに耐え忍ぶ。
 しかし、肉体は当人の意志よりもよほど正直であり、強引に広げられた恥裂の奥、膣の洞穴より滴り落ちた蜜液は、クロッチの繊維をやすやすと染み通して、洋介の指をも濡らしてしまう。
「本当に嫌なの? 僕の指までこんなに濡らして。詩乃さんは僕が思っていたより、ずっといやらしい人なんだね。だから、まだまだ、もっと気持ち良くなって貰うよ。腰が抜けて立てなくなるくらいに」
 指使い一つで詩乃を翻弄している事実に、洋介は恍惚とも言える悦びを覚えていた。
 更なる快感で詩乃を打ち据えようと、クロッチにあてがった指先をコの字に曲げ、恥裂の上端で芽吹くクリトリスのしこりに引っ掻けては、ギターの弦をそうするように爪弾いた。
「あひぃっ」
 およそ詩乃の物とは思えない、牝の本性を剥き出しにした嬌声が台所に響き渡る。
 詩乃は尻をよじって洋介の魔指より逃れようとするが、今度は乳頭をつまんだもう片方の指が、痛みを伴う鋭い快感で、たわわに実った乳房の先端を刺し貫く。
「ひぐぅっ」
 高圧電流でも流されたように、背筋をえび反らせて詩乃は鳴いた。
 上下から容赦なく責め苛まれ、身体の芯まで蕩けるような快感の中で躍りながら、血が滲むほど唇を噛み締めることで、遠ざかる意識を何とか保とうとしている。
 そんな詩乃に止めを刺さんと、洋介は無理やりクロッチを横に引っ張り、濡れた膣に中指を深々と埋め込む。
「うくっ」
 くぐもった呻き声を上げて、詩乃の身体がびくりと震える。
 しかし、もはや抵抗する力は残されておらず、グロッキー状態で洋介にすべてを委ねるばかり。
「すごいやっ、詩乃さんの中、こんなにぬるぬるになってるっ」
 中指だけでは飽き足らず、薬指まで挿入して二本の指をねじり、狭い膣腔を強引に拡張すると、でこぼこした内壁から分泌液が一気に滲み出し、指の隙間を擦り抜けてふとももの内側を流れ落ちていった。
 挿入した指を大暴れさせながら、更には親指で直接クリトリスを弾き飛ばす。
 そのたびに詩乃は無言の悲鳴をあげてひくひくと腰を震わせる。
 そして、ある時とつぜん肉壁が大きく波を打って蠢くと、抜き差しもままならないほどに指が締め付けられ、一気に膣奥へと呑み込まれた。
 洋介の腕の中、歯を食い縛った詩乃は眉間に深く皺を刻み、そのままびくんっびくんっと不気味な痙攣を引き起こして、電池でも切れたように完全にぐったりしてしまった。
 洋介は気付いていなかったが、詩乃の肉体はとっくにオルガスムスを迎えていた。
 派手な絶頂ではないものの、快楽のハンマーは数え切れない小刻みな打撃で、いつしか詩乃の華奢な腰を粉々に砕いてしまっていた。
 最後の一撃で併せ技一本。熟れ頃の肉体は少年の執拗な愛撫の前にその欲望を爆発させて散った。
 膝の力が抜け、ぐにゃりともたれかかる詩乃を支えながら、すっかり昇天し、気持ち良さそうに瞼を閉じたその表情を洋介は呆然と見つめる。
「僕……指だけで詩乃さんをイカせちゃった……」
 悦びに胸を震わせ、意識を失いかけている詩乃の頬にキスの雨を降らせる。
「ん……んん……」
 ゆっくり瞼を開いた詩乃は虚ろな瞳で洋介を見上げた。そして、親子ほども年齢の離れた洋介の指で、あっさりオルガスムスへと導かれてしまったことに動揺する。
「わ、私……イってしまいましたのね。まさかこんな……指だけで……」
「イク時の詩乃さん、とっても可愛かったよ」
「言わないで下さい。私はもっとしっかりしないといけませんわね。本当でしたら、私の方がリードしてさしあげないといけないのに……」
「無理にリードしてくれなくても、詩乃さんの身体から勝手に教えてもらってるよ。だから僕の好奇心、もっと満たして欲しい。ね、こっちを向いて」
 肩を掴んで詩乃を振り向かせると、そのまま流し台に寄りかからせ、邪魔なエプロンを捲り上げて詩乃に持たせる。
 そうしてふとももの合間に跪き、ショーツを脱がせようとした洋介は二つの驚きに見舞われた。
 流し台に寄りかかり、恥かしそうにエプロンの裾を捲る姿のなんといやらしく、可愛らしいことか。
 ずり上がったタイトスカートの下からはクロッチに守られた股間が、また、恥かしそうに内股で生え伸びるふとももが剥き出しになっている。
 そのあまりに淫靡な光景にまず一発、ボディブローを食らい、続けて即座に追い討ちのアッパーカットを被弾する。
 詩乃が身に着けていたのは、先日、寝込みを襲った時に穿いていた、簡素なコットンショーツなど比べ物にならない豪奢な一品だったのだ。
「し、詩乃さん……今日の下着……」
「えっ……わ、私ったら、すっかり忘れていましたわ。恥ずかしいっ……」
 詩乃は両手で顔を被ってしまった。
 穿いている本人すら忘れていた真珠色のショーツは、シルク地に総レース仕立てというとても高級な物だったが、へその下にあしらわれた大胆なシースルーレースは、下腹部どころか女唇の上端ぎりぎりにまで及び、逆デルタ型に整えられた艶やかな恥毛が完全に透けて見えていた。
「あまりオバサンっぽい下着ですと、洋介さん、がっかりされると思って……でも、はしたないですよね。三十八にもなって、こんな派手な下着を着けているなんて」
「そんなことないよっ」
 洋介の声は思わず大きくなった。
 自分の為にわざわざ下着を替えてくれた、それだけも感激なのに、その上、替えた下着がこれほど刺激的なレースショーツとくれば、文句があろうはずもない。
「僕、こういう上品なのに色っぽい下着、大好き」
 いきなり脱がすのは勿体無く、洋介はそっと詩乃の腰を掴むと、恥丘に貼りついたクロッチの脹らみに鼻を押し当てゆっくり深呼吸する。
 さんざん愛撫されたせいでクロッチには秘唇の形に添って黒い染みが出来ており、滲み出す粘液で鼻先はすぐにべとべとになってしまう。
 イッたばかりのクレヴァスは酸味のきつい強烈な臭気を放ち、洋介は夢中で顔面を圧し付けながら、咽かえる詩乃の恥臭を狂ったように吸い込んだ。
「あぁっ、またっ、そんなところの臭いを嗅いではいけませんっ。生理が近いので、きっと臭ってしまいますっ」
 洋介の頭をやんわり押えて詩乃は言う。その言葉通り、以前に嗅いだ時よりも匂いは格段にきつくなっていた。
 しかし、洋介にとってはかえって好都合である。
「詩乃さんのここ、すごくエッチな匂いがしてる。はあぁっ、たまらないよぅっ」
 クロッチ越しにぐりぐりと鼻先を恥丘に擦り付けて歓喜する。
 こうなったら恥も外聞もなかった。
「あうぅっ……そ、そういうことは……変態さんのすることですわ」
 その言葉に洋介はぴたりと動きを止め、股間から詩乃を見上げて訊いてみる。
「もし変態だったら、僕を嫌いになる?」
「……その訊き方はずるいと思います」
 詩乃の困った顔はとても可愛い。
「なら僕は変態でもいいや」
 嬉しくなった洋介はショーツの両脇に指を引っ掛け、膝まで一気に脱がせてしまう。
「ひゃあっ」
 不意打ちを食らった詩乃の素っ頓狂な悲鳴と共に、濡れ光る恥毛に囲まれた小さな割れ目が顔を覗かせた。
 明るい所で見る初めての女性器は、真っ白な裸身の中心に、紅い肉の花が咲いたような、そんな印象だった。
「あぁ……綺麗だ……」
 感嘆の溜息を漏らして、洋介はぼうっと見惚れる。
「ありがとうございます。でも、あのっ……そんなにまじまじとご覧になられては、さすがに私も恥かしいのですが……」
 あまり夢中になっているので言い出し辛かったのか、詩乃は遠慮がちに言った。
「へっ……ああっ、ごめん。つい……」
 夢から醒めたようにはっとして、洋介は目をごしごしこすった。
 下半身剥き出しの詩乃と台所で向かい合っている自分に気が付き、今更ながらに赤面する。
「僕たち今、けっこう凄いことしてるよね」
 洋介のひるんだこのタイミングを逃すまいと、詩乃は息急き切って懇願する。
「あのっ、そちらをお舐めになる前にせめてお風呂に入らせてください。そうしたら、お好きになさって構いませんから」
 淑やかな詩乃はやはり体臭が気になるらしい。今となってはショーツの庇護もなく、確かに匂い好き、クンニ好きの洋介を放っておいたら、汗と恥臭にまみれた下半身を、隅々まで「味見」されてしまうのは明白である。
「どうか、私の言うことを聞いてくださいませ」
 目を潤ませて懇願されたら、嫌とは言えない。
 腰に腕を巻き付け、詩乃の下半身を抱き締めると、子宮のあたりに頬を摺り寄せ、洋介は答えた。
「じゃあ、また一緒に入ってくれる? 今度は僕が背中を流してあげるから」
「えっ……」
 予想外の提案に躊躇する詩乃ではあったが、このまま下半身を弄ばれるよりはマシというもの。
「わ、わかりました……どうぞ、よろしくお願いします」
 若い牡の張り巡らせた罠に、詩乃は確実に落ちていく。
「それともうひとつ。ここでフェラチオしてよ。僕、台所で詩乃さんとセックスするのが夢だったんだ。でも、それは無理だから、フェラチオで我慢する」
「そ、そんなはしたない真似できるわけ……」
「詩乃さんはさっき気持ち良くなったよね。でも、僕はまだなんだ。もし、駄目っていうなら仕方がないから、このまま詩乃さんのあそこを舐めながら、自分でするけど……お風呂に入る前の詩乃さんのあそこはどんな味がするのかな」
 突き出した舌をこれ見よがしに躍らせ、目の前のスリットを舐め上げる真似をする。
「そ、それだけは許してくださいっ」
 詩乃はほとんど泣き出しそうになっていた。
 そこで洋介はもうひと押ししてみる。
「実は僕、お尻の方にも興味があるんだよね」
 腋の下やアヌスなど、人には見られたくない、触れられたくない、恥かしい場所を我が物とすることに、洋介はより興奮を覚える性質だった。
 これに対し、詩乃は慌てて態度を翻す。
「わかりましたっ。して差し上げますから、どうかおやめください」
「何をしてくれるの? はっきりと言って」
「きょ、今日の洋介さんは意地悪です」
 珍しく抗議する詩乃を無視して、洋介は冷徹な主人を装う。
「言って」
「く、口で……フェ、フェラチオをして差し上げます」
 洋介は心の中で快哉を叫んだ。
 貞淑を絵に描いたような詩乃に「フェラチオ」と言わせたのだ。
 これはポイントが高かった。
「ありがとう。詩乃さんはやっぱりやさしいよね。だから大好き」
 途中まで脱がせたショーツを再び股間に食い込ませ、洋介はやおら立ち上がると、詩乃の唇をひと舐めして微笑んだ。
「この可愛い唇でよろしくお願いするね」
「くぅ……洋介さんはなんて甘えるのが上手なんでしょう。将来、恋人や奥様になる方は、きっと苦労なさいますわね」
 自分に架された試練も忘れ、まだ見ぬ将来の伴侶の為に、老婆心から溜息を吐いてくれる詩乃はすこぶるやさしい女性だった。
「それはさ、きっと未来の詩乃さんのことだよ。苦労をかけてごめんね」
「あぁ……もう、私の負けです」
 詩乃は観念したようにそう言うと、ぎゅっと強く洋介を抱き締めた。
 それから潔く跪いて、洋介の腰からショートパンツとトランクスを引き下ろす。
 途端に怒張したペニスがジャックナイフのように跳ね上がり、詩乃の鼻先に真っ赤に充血した亀頭を突きつけた。
「あら、あら……こんなに大きくなさって……私、どうしましょう……」
 詩乃はしばし言葉を失い、目の前で反り返る肉竿を恥かしそうに見つめた。
 そして、おずおずと両手の指を添え、上向いていたペニスに優しくお辞儀をさせる。
「では、失礼します」
 上気してピンク色に染まった瞼が意を決したように閉じられると、血色の良い詩乃の唇が李のように膨らんだ亀頭を音も無く咥え込んだ。
「あっ、熱っ……」
 ペニスの先に焼けつくような熱を感じて、洋介は思わず腰を引いてしまう。
 詩乃の口腔は熱く濡れ、互いの粘膜が密着してひとつに溶け合うことで、体温がダイレクトに伝わってきた。
「洋介さんが御申しつけなさったことですよ。私も恥を忍んでいるのですから、逃げないで下さい」
 洋介の情けない腰をしっかり抱き寄せると、詩乃は再び亀頭を口に含む。
 窄めた唇でくびれを軽く締め付けながら、尖らせた舌の先を使って尿道口をちろちろとくすぐった。
「はうぅっ」
 こそばゆい性感がペニスの先端から吹き込まれ、柔な腰をひと突きに貫いて、一瞬、洋介の膝ががくりと沈む。
 堪らず腰が砕けそうになるのを何とか踏ん張り、膝をぶるぶる震わせながら、詩乃の口技を耐え忍ぶ。
「し、詩乃さんが……僕のを咥えてる……僕のを舐めてる……まるで夢みたいだ」
 恍惚と呟く間も、亀頭の中心に穿たれた鈴口を優しく押し広げ、詩乃の舌は蛇のように妖しくうねって、尿道の内壁を丹念に舐め取っていく。
「あっ、ひっ……し、詩乃さん、なにそれっ、すごいっ……先っぽ裂けそう」
 身体の中で最も敏感な粘膜を嬲られ、思いもよらなかった快感に洋介は目を白黒させた。
 さすがは人妻というべきか、散々恥らっていた詩乃も、いざ事に及んでしまえば堂々たるもの。少年の過敏な肉茎など物の数にも入らずと、積み重ねた夜伽の経験を存分に披露する。
 見えない口腔の奥で充血し、破裂せんばかりに膨らんだ亀頭のまわりを舌先はゆっくりと周回し始め、ざらついた表面とつるつるした裏面が交互に間断なく雁首へと粘りつく。
 たっぷり唾液を滴らせた舌はこの上なく滑らかだったが、敏感なペニスにはそれでも薄皮を剥き取られるような、痛みにも似た快感が駆け巡り、亀頭の腹に伸びる筋を舌先で弾かれるたびに、鋭利な刃物で切りつけられたような衝撃が走って、洋介は息を呑んだ。
 いつしか全身にびっしょりと汗をかき、すでに軽口を叩く余裕はない。
 そんな洋介を見上げる詩乃の目が微かに綻び、心の声が聞こえた気がした。
 私を見くびりましたわね、と。
 やがて、紅い唇はペニス全体をずるりと呑み込み、きつく根元を締め上げると、上気した頬を精一杯窄めて、渾身の力で尿道を吸った。
「うくっ……」
 詩乃の唇からじゅっという液音が聞こえて、ペニスの芯ともいえる尿道を無理やり抜き取られるような錯覚を覚えた。
 尿道自体はともかく、中の先走りの雫は確実に吸い出され、それを呑み下す白い喉が艶かしく上下に蠢く。
「す、吸い出されるぅっ……詩乃さんの口、まるで蛸の吸盤みたいだ。それに、あったかくてぬるぬるして……き、気持ち良い……」
 普段は淑やかな言葉を紡ぎだす詩乃の口唇が、今や男の精を搾り取る最高の肉壷へと変わり、そのねっとりと絡みつくような感触に為す術なく翻弄されてしまう。
 やがて、いよいよ念入りにペニスを咥え込み、詩乃は緩やかに頭をピストン運動させ始めた。
 舌と頬の粘膜をペニスに密着させ、これでもかと嬲りながら吐き出したかと思うと、亀頭の先をぺろりと舐め上げては、包皮を強引に剥き下ろしつつ、再び根元まで呑み込んで見せる。
 そのたびに亀頭は喉の奥に突き当たり、反射的に狭まった咽喉の粘膜で揉みくちゃにされた。
「あっ、ま、待って。待って、詩乃さん。凄すぎるよ。そんなにしたら、気持ち良すぎて僕、頭がおかしくなっちゃうよっ」
 自分から命じたにも拘わらず、早くも泣き言を言ってしまう。
 本気を出した詩乃の実力は、今の洋介にはいささか酷だった。
 さほど激しくない、どちらかと言えばゆったりとした律動の中で、詩乃の見せる愛撫の手管は驚くほど洗練されていた。
 その優しく軽やかな口使いに、未だ性的な刺激に慣れ切らないペニスはあっさり悲鳴を上げ、暴発的射精へと続く坂道を転がり落ちていく。
「だ、駄目っ、駄目だって。もう無理だから、許してぇっ」
 ひりつくような快感に耐え切れず、洋介は涙声で叫びながら、股間で揺れる詩乃の頭に手を添え、律動を止めようとした。
 すると指先に引っかかって髪留めが外れ、長い黒髪が波を打ってばらけてしまう。
 詩乃の動きは一瞬止まり、タイミングを狂わされて、唇からペニスが抜け落ちた。
「はっ、はふぅぅっ。ま、間に合わない。射精るっ……僕、射精ちゃうぅっ」
 せっかく詩乃が止まってくれたというのに、結局は我慢しきれなかった。
 股間から送り込まれた快電流は背骨をぐにゃぐにゃに溶かしながら身体の隅々まで駆け巡り、その反射波が頭蓋の中へと一斉に流れ込んで、脳の中心に炸裂した。
「あへぇっ」
 ペニスの付け根から湧き起こった射精感は、熱い衝撃派となって体中を駆け抜け、腰の砕けるような快感に全身の毛が逆立つ。
 括約筋の痙攣によってアヌスはひくひくっと不規則な収縮を繰り返し、狙いを定める暇もなく、洋介は詩乃の顔面にぶちまけてしまった。
 ペニスの先から真っ白な精液が迸るたびに、身体の奥底から目も眩む恍惚感が溢れ出し、目の前でフラッシュでも焚かれたように視界が飽和した。
 額に乱れた黒髪を幾筋も垂らす詩乃の顔面に向けて、煮えたぎった生命のミルクが止め処なく吐き出されていく。
 詩乃は静かに瞼を閉じたまま身じろぎひとつせず、鼻筋に浴びせられる熱い濁流を一滴残らず受け止めた。
 青臭い精液が鼻筋から唇、顎を濡らして滴り落ちていく。
 端正な顔たちはたちまち白濁液にまみれ、どろどろになってしまう。
 それでも尚、穏やかな微笑を湛えた詩乃の美貌は寸分も損なわれることなく、抑え難い少年の欲望を一身に受け止めてくれる、慈悲深い女神のように輝いて見えた。
 やがて、長かった射精も終わり、洋介が全ての欲望を吐き出し終えると、詩乃は額にかかった前髪を音も無く掻き上げ、囁いた。
「お粗末さまでした」
 洋介は力無く膝から崩れ落ち、エプロンを巻いた詩乃の胸に抱き止められる。
 すっかり腰が抜けてしまい、甘美な絶頂の余韻に溺れて、立ち上がることはおろか、返事をすることもできなかった。
「このくらいで腰を抜かしているようでは、まだまだ、ですわね」
 抱き止めた洋介の髪をそっと撫でつけ、詩乃は精液にまみれた唇をひと舐めして、くすりと優しく微笑んだ。

「はぁんっ……よ、洋介さん……あ、あまり胸ばかり洗わないでください。そんなにしたら、わ、私……わたし……」
 泡まみれの手拭を巻いた手でパン生地でもこねるように両乳房を揉みし抱かれ、詩乃は魚みたいに腰をくねらせて艶かしい吐息を漏らした。
「そんなにしたら……なに? もしかして、感じちゃう?」
 湯煙の中、洋介は風呂椅子に座る裸の詩乃を背後から抱き締め、洗う振りをして手拭越しに乳房を好き放題もてあそぶ。
 掌にはとても収まり切らない、ずっしりと重いお椀型の乳房は、しかし恐ろしく柔らかくて、ほんの少し力を入れただけで、深々と食い込む指の形にたわんでしまう。
「よ、洋介さんに背中を流していただくだけでも申し訳ありませんのに、その上、このようなことをされては……」
 鏡の中で恥ずかしそうに俯く詩乃は、台所で鮮やかなフェラチオを駆使して、洋介の精を存分に抜き取ったとは思えない、淑やかな佇まいを見せている。
 そのギャップが、詩乃の想いとは裏腹に、洋介の欲情をよりいっそう煽り立てた。
「この間のお返しだよ。それにさ、昔は母さんの背中を毎日こうして流してたんだ。もちろん、ここまではしなかったけどね」
 いつの間にか手拭を放棄した洋介は、指先に感じる柔房のマシュマロのような弾力にうっとりしつつ、両手でもろに鷲掴んで遠慮なしに揉みし抱く。
 たっぷりと泡が乗っているため、指先は滑りに滑り、指の隙間から蒼く血管の浮き出た乳房の余り肉と真っ白な泡がない交ぜになってにゅるりと食み出す。
 まるで知能を身につけたいやらしいヒトデが、両乳房に張りついて粘り気を帯びた体液を吐き出し、詩乃を犯しているような、それはシュールな光景だった。
「な、なにをいきなりっ……こ、これではもう……お風呂ではなくなってしまいます。や、やめて……くだ……さい」
 くびれた腰はくねくねと艶かしく蛇動し、風呂椅子の上で扁平したヒップが白く柔らかな果肉を蠢かせて悩ましげに踊る。
 快感に耐える詩乃はきつく眉をひそめ、唇を噛み締めた切ない表情で鏡の中から懇願してくる。そして、恥ずかしそうに背中を丸めると、乳房を揉みし抱く洋介の手を両手で押さえて、いやいやと無言のまま首を振った。
「やめるもなにも、僕はただ胸を洗ってあげてるだけだよ。ここはデリケートな場所だから、手拭だと痛いでしょ。優しくするから動かないで」
 洋介は詩乃の手に抗って乳頭を摘み、人差し指と親指でやんわり圧迫を加えながら甘く転がす。乳首はすでに勃起しており、こりこりとした感触が気持ち良かった。
「あれ? おかしいな。どうしてこんなに乳首が硬くなっているんだろう。もしかして詩乃さん、気持ちよくなっているのかな。まさか、口ではやめてなんて言いながら、本当は密かに気持ちよくなっているとか、そんなことは……無いよね?」
 棒読みで言いながら、洋介は意地の悪い笑みを浮かべて訊いてみた。
「くっ、くふぅ……もうっ、洋介さんったら、お芝居が下手ですわ。そんなことより、あっ、ひぃっ、い、いけません。さ、先っぽは……先っぽは私、とても弱いんです」
 指先に力を入れるたび、詩乃は丸まっていた背筋をびくりと反り返らせ、鼻の頭からオクターブの高い蕩けた媚声を漏らす。
 華奢な肩は小刻みに震え、襲い来る快感をやり過ごそうと、濡れた唇は艶かしい吐息を忙しなく吐き出した。
「あ、そう、先っぽは駄目なんだ。じゃあ……こっちはどう?」
 洋介は胸板を詩乃の背中に密着させ、石鹸の潤滑作用が生み出すひどく卑猥なぬめりを楽しみながら、さも当然のように片手を股間へと滑り込ませる。
「そ、そこはっ……もっと駄目っ……ですぅっ。自分で……そこは自分で洗いますからっ……触らないで……ください」
 詩乃はふとももを重ねて拒もうとするが、洋介の指は既に秘部を捉えていた。
 石鹸の泡を吸って、しんなり柔らかくなった恥毛を掻き分け、熱く火照った淫裂を中指の腹で優しく撫で付ける。
 少しだけ粘り気のある蜜汁の膜に被われた、左右一対の薄い肉びらをゆっくりと割って、くの字に曲げた指先を裂孔の奥へと挿入していく。
 窮屈な濡管の内側にはつるつるとした短い柔突起がびっしりと生え揃っており、少しでも指を動かすと膣管全体がきゅんときつく引き締まって、奥へ奥へと妖しい蠕動を繰り返しては、あっという間に中指を根元まで呑み込んでしまった。
 膣内は熱く、絡みつく粘膜から火傷しそうな体温がダイレクトに伝わってくる。
(やっぱり、すごいや、ここ……ぬるぬるしてて、あっつくて、中で指が揉みくちゃにされる。あぁっ……ここに僕のを入れられたらいいのに……)
 未だ味わう機会の与えられない、詩乃の肉壺の感触を指に感じて、卑猥な妄想が一気に広がる。ぬめりといい、締め付けといい、温度といい、指一本でもその挿入感が最高であることくらい、すぐにわかった。
「よ、洋介さん……ゆ、指を……指を抜いてください。な、中は……中はそんなに洗わなくても良いんです」
 詩乃はたおやかな細身を悩ましくくねらせ、震える声で教えてくれた。
「そうなの?」
「そこは強い酸性になっていて、雑菌を殺すように出来ているんです。石鹸であまりよく洗ってしまうと、殺菌作用が落ちて逆効果になってしまいます」
「……そうなんだ。初めて知った。詩乃さんといるといろいろ勉強になるな。じゃあ、中は駄目みたいだから、今度は外にするね」
 思いがけないレクチャーに目を啓かれた思いの洋介は、膣の天井をなぞりながらゆっくりと指を引き抜いた。
 ぴちゃりと湿った音が鳴り、指と共に膣口から石鹸と愛液の混ざった真珠色の乳液がとろりと吐き出される。それを指先で絡め取り、クリトリスへと優しく塗り込んでいった。
「は、はうぅんっ……そ、そっちは別の意味で駄目ですっ。直接、指で触れられたら……私……わたしっ……」
 可愛らしい悲鳴を漏らした詩乃は、抱き締めた両肩を跳ね上げてきついVの字を描くと、背筋をひくひくと痙攣させる。
 ひっつめ髪の下から覗く、か細いうなじが儚げに戦慄き、背を丸めて震える後姿は、さながら嫁入りしたばかりの年若い新妻のようだ。
 詩乃の見せた過敏なまでの反応に、この上ない愉悦を味わった洋介は、込み上げる慕情を抑えきれなくなって、泡のついていないうなじに唇を強く押し付けると、背後から詩乃の頬に頬擦りして囁いた。
「詩乃さん……可愛いよ、詩乃さん。僕、こうしてるとたまらない気持ちになってくるんだ。でも、きっと、相手が詩乃さんじゃなかったら、こんな気持ちにはならないと思う。僕にとって詩乃さんは特別なんだ」
 愛しい、という感情はこういうものなのだろうか。
 結婚はおろか、異性との付き合いすら経験したことのない洋介は、沸き起こる感情の正体を想像するしかない。
 それは母親に感じる親愛と恋人に対する恋愛、そして妻への友愛、その全てが入り混じった、力いっぱい抱き締めても足りないような、そんな気持ちだった。
「それほどまでに想って頂けるなんて……私はなんて幸せなんでしょう。でも……」
 詩乃は一瞬、悲しげな顔になり、申し訳なさそうに言った。
「でも、私には勿体無いお言葉です。だって、私は……洋介さんの家政婦でしかないんですから」
 胸の奥に鋭い痛みが走り、洋介は思わず叫びそうになる。
(こんなに好きなのに!)
 でも、ぐっと堪えて、笑って見せた。
「そっか……そうだよね。詩乃さんは家政婦で、僕は雇い主、それだけの関係でしかないんだよね。詩乃さんにとっては、僕の性欲処理も仕事のうちってことなんだよね。だったら、処理してもらおうかな。僕の性欲」
 言うなり詩乃を立ち上らせると、洋介は肩を掴んで振り向かせた。
「あっ……」
 反射的に胸と秘部を手で隠し、ボッティチェリの描いたヴィーナスの誕生のようなポーズで、詩乃は羞恥に顔を背ける。
「なに隠してるの? 主人の僕が見せてるんだよ。家政婦の詩乃さんが隠すのはおかしいんじゃない」
 隆々と勃起したペニスをことさら突き出して見せつけ、洋介は高圧的に命令した。
「は、はい……ごめんなさい」
 無理に平静を装って答えた詩乃は、顔を背けたまま恐る恐る乳房と股間から手を取り払う。
 吐息すらかかりそうな距離で、泡塗れの裸身が露になった。
 上気して薄桃色に染まった肌に純白の泡衣をまとったたおやかな肢体、幻想的とも言える光景に洋介はごくりと唾を飲み込み、思わず見惚れてしまう。
 が、しかし、ちょうど両乳首と恥毛にたっぷりと泡が乗り、肝心の場所が見えそうで見えない。
 イラッときた洋介は、すかさずシャワーの蛇口を捻った。
「きゃっ……つ、冷たいっ」
 湯になる前の冷水をいきなり頭上から浴びせられ、詩乃は身体を震わせる。
 たまらず両腕で肩を抱き締め、温もりを得ようとするが、洋介は許さない。
「駄目だよ。ちゃんと全部見せてくれなくちゃ」
 冷たさに耐えながら腕を解くと、見る見るうちに詩乃の肉体を覆っていた泡は洗い流され、果物の皮を剥くように裸体が剥き出しになっていく。
 いつしか冷水は湯に変わり、浴室に湯気が立ち上り始めていた。
「フフフッ……すごいや、詩乃さん。なんて綺麗な身体してるんだ。とても三十八歳とは思えないよ」
 この三年間というもの、毎日欠かさず通って来ては実の母親のように世話を焼いてくれた詩乃の、一糸まとわぬ姿がすぐそこにあった。
 流れ落ちる湯が薄膜となって素肌を被い、反射する蛍光灯の光で、全身がきらきらと眩く輝いて見える。
 改めて見ると、先ほど存分に揉みし抱いた乳房はブラジャーの支えもないというのにまったく型崩れを起こさず、華奢な両肩と肌の張りだけを頼りにボリュームたっぷりのフォルムを堂々と誇示していた。
 生白い乳房の中央には、濃紅色をした小梅大の乳頭がぴんと膨らんで正面を向き、あたかも洋介を誘惑しているようだ。
 乳房の豊満さに対して肉体そのものは細身であり、余分な脂肪の少ない腹筋はきゅっと引き締まって、うっすら浮き出た肋骨の影が艶かしい。
 見えざる神の手によって引き絞られたウエストとバランス良く張り出した形の良い骨盤は、年齢をまったく感じさせないうっとりするような曲線を描き出し、肉感たっぷりのふとももへと連なって、奇蹟とも言えるプロポーションを形作っていた。
 そして、何よりも目を引くのは、ふとももの付け根に広がる垂涎の光景である。
 ふっくら脂肪が乗ってこんもりと盛り上がった肉丘の上に、手入れの良く行き届いた柔らかな恥毛が薄く萌え、鼠蹊部へと続く股間の卑猥な膨らみ具合が手に取るようによくわかる。
 どうやら詩乃の女性器は下つきらしく、上から見下ろす今の視点では肝心の秘唇はほとんど見えない。けれども、秘唇へと続く小さな窪みが、丸い恥丘の真中に可愛らしいえくぼを作り、恥毛さえ剃ってしまえば童女のそれと変わらぬだろう淑やかさで、目を楽しませてくれる。
 熟れ頃の女体にすっかり魅入られた洋介は、真っ白になった頭でふらふらと歩み寄り、驚く詩乃を力いっぱい抱き締めた。
「よ、洋介さんっ……」
 詩乃の柔らかさを、滑らかさを、温もりを、洋介は素肌で、身体全体で味わった。
 小ぶりのクッションみたいな乳房はぐにゃりと潰れて扁平し、ゼラチン質の弾力で胸板を圧迫してくる。
 いきり勃ったペニスはウエストに密着し、緊張に引き締まった腹筋の感触をもろに感じる。血液の脈動が柔肌を通じてとくんとくんと伝わり、身体がひとつに溶け合っているような錯覚すら覚えた。
 小さな詩乃を抱き締めている筈なのに、子を持つ女性だけが感じさせる、大らかな包容力に包まれて、むちむちと吸いつく餅肌に身体ごと呑み込まれてしまいそうだ。
「はぁっ、はぁっ……し、詩乃さんっ、詩乃さんっ」
 洋介は夢中で詩乃の唇を奪った。
 怯える舌を絡め取り、唾液もろとも強く吸う。
「んっ、んっ、んぷぅっ……」
 わずかに身体を強張らせた詩乃ではあったが、すぐに力を抜き、駄々っ子をいさめるように身を任せてきた。
 その従順さが悔しくて、洋介は鷲掴んだ片乳を乱暴に揉みし抱き、硬くしこった乳頭にしゃぶりつく。
 こりこりとしたグミのような舌触りに恍惚としながら、舌先で激しく乳首を弾き倒し、根元を軽く甘噛みして、赤子が母乳を吸い出そうとするように渾身の力で膨らみを吸った。
「ひぃっ、ひゃあぁん。よ、洋介さんっ……そんなに乱暴になさらないでください。そ、そんなに強く吸われたら……い、痛いっ……」
 それでも尚、詩乃は痛みに身を震わせて耐えるばかりで、洋介を拒絶しようとはしない。事ある毎に頑なに主張する主従関係を守る為なのか、それとも何か別の理由があるのか、後者に期待しつつも、洋介は苛立ちを抑えられなかった。
「詩乃さんはどうして僕の言いなりになってるの? 官能小説のヒロインじゃないんだから、もし本当に嫌なら、逃げればいいじゃないか」
「そ、それは……」
「逃げないなら、それは同意したってことだよね? 僕は遠慮しないよ。台所で約束した通り、詩乃さんのおまんこ味見させて貰う」
 洋介は詩乃の前に跪くと、逃がさぬよう両手でがっちり骨盤を掴んで、黒々とした恥毛の中心に鼻を突っ込んだ。
 とたんに石鹸のまろやかな香りがぷんと匂い、その奥から詩乃自身の体臭が溢れてじんじんと鼻腔を痺れさせる。
 ほんの少しだけすっぱくて生臭い、胸の締め付けられるような切ない匂いに、眉間の奥でちりちりと火花が散って頭の中に桃色の靄がかかる。
 詩乃の胎内より漏れ出す牝の匂いは、楚々とした容姿からは想像もつかないほど淫猥な恥臭で、若い牡である洋介の性欲を掻き立てる絶好の興奮剤になってしまった。
「くはっ、くはっ……詩乃さんのおまんこ……すごくエッチな匂いがする。頭がくらくらしてきたよ」
 恥毛の叢に隠されたもうひとつの唇に鼻先を擦り付け、犬のように匂いを嗅いだ。
 くちゅくちゅと卑猥な音が鳴り、ぴたりと閉じていた割れ目はわずかに捲れて、鼻先にぬるぬるした生暖かい粘膜を感じる。
「そ、そんなところを鼻で広げないでくださいっ。匂いも嗅いでは嫌です。は、恥ずかしい……」
 腰をぶるぶると震わせて、詩乃は洋介の頭をやんわり押し止める。
 けれども、その手は力無く、大事な物を傷つけまいとする配慮が感じられた。
「ねえ、詩乃さんのここは、いったい誰の為にあるの?」
「えっ……?」
「旦那さんがいるのに、どうして僕にこんなことされて平気なの? 子供だっているんでしょう?」
 ふと疑問が口をついた。
 どこからどう見ても、詩乃は淫乱なタイプではない。
 夫も子供もいる身で、しかし、実際には自分に好き放題、身体を玩ばれている。
 それでいて、飽くまで家政婦としての一線を越えようとはしない。
 何故なのか、そして、夫や子供に対して、どう思っているのか、洋介には想像もつかなかった。
「わ、私は……」
「仕事だから……お金のために我慢してるなんて言わないでよね。さんざんお世話になっておいて恩知らずなのはわかってるけれど、きっと僕、詩乃さんを軽蔑するよ」
 勝手な言い分と知りながら、金銭の為に身体を許す、それだけは詩乃にして欲しくなかった。
「ち、違いますっ。お金の為なんかじゃ……」
「じゃあ、どうしてなの?」
「そ、それは……」
 人差し指の背を噛んで、詩乃は悲しげに顔を背ける。
 恐らく何らかの事情があるのだろう。しかし、いくら待っても詩乃は口を開こうとはしなかった。
「わかったよ。無理に答えてくれなくてもいい。その代わり、こっちは続けさせてもらうよ」
 洋介は両手の親指で肉唇を左右に広げ、詩乃の股間に五百円玉くらいの濡孔がぱっくりと口を開ける。
 捲れた肉びらの内側に覗ける鮮やかなサーモンピンクの膣壁は、柑橘系の生々しい芳香を漂わせる分泌液でぬらぬらと濡れ光っていた。
 しばらくそのまま観察していると、きつく窄まって見えない膣奥から、粘り気を帯びた透明な淫蜜がじくじくと滲み出して、肉輪の下縁からとろとろと滴り落ちる。
 慌てて舌先で掬い取ると、洋介はそのまま舌を濡孔の中心に捻じ込んだ。
「はぁんあぁっ、そ、そんなに奥まで……舌を入れないで下さいっ。お腹の奥で洋介さんの舌がにゅるにゅる……う、動いて……内臓を舐められてる感触がうぷっ……」
 軽くえづいた詩乃は両手で口を覆うと、肩幅の広さに脚を開いたまま棒立ちになってしまう。
 結果的に下半身はがら空きになり、洋介は少しでも胎内深く潜り込もうと思い切り舌を伸ばして、好奇心のおもむくままに肉色の膣洞を探検する。
 奥へ行けば行くほど匂いはきつくなり、カマンベールチーズを煮詰めたようなまろやかな恥臭が鼻腔に溢れて、眉間にずきずきと鈍痛が走った。
 淫蜜の粘り気も次第に増していき、腐りかけの蜜柑にも似た酸味の強さに舌先が痺れるほどだ。
「はうっ……あうっ……ひ、ひのはんのおく……あでぃもにほいもきょふれつで……ぼくもう……たばらないよ」
 がちがちに勃起したペニスの先に膨らむ亀頭の真ん中から、いつしか透明のカウパー液がだらだらと垂れ流されていた。
 睾丸を収めた皮袋の裏に重苦しい射精感が溜まっていき、ペニスへと流れ込む多量の血流がどくどくと脈打つたび、痙攣を起こしたアヌスに釣られて、亀頭は大きく上下に揺れる。
 射精の瞬間はすぐそこまで迫っていた。
 唾液を糸引かせて秘唇から舌を引き抜くと、洋介はやおら立ち上がって肉刀を掴み、切っ先を詩乃の股間に向ける。
 狙いを定めるのももどかしく、たっぷりと舐めてほぐし、薄開きにした裂孔に亀頭をあてがう。
 敏感な粘膜越しに膣口のぬめりを感じて、思わず腰がぶるりと震えた。
(つ、ついに詩乃さんとセックスできるんだっ)
 このまま腰を突き出せば、詩乃とひとつに繋がることができる。
 抑えようもない欲情に任せて、なし崩し的に挿入しようとする洋介だったが、思いがけない抵抗が待っていた。
「い、いけませんっ。それだけは……それだけはお断りしますっ」
 胸板を両手で押し返し、詩乃は渾身の力で洋介を遠ざけようとする。
 見つめる瞳は悲しみに潤み、紅い唇は強固な意志でへの字に結ばれている。
 それは未だかつてない明確な拒絶だった。
「な、なんで? ここまできて、どうして駄目なの?」
 風俗店で無理やり挿入しようとして拒まれたような、ひどく惨めな思いがした。
 傷ついた洋介は頭にきて問いただす。
「どうしてもです。何がどうあろうと、洋介さんとだけはできないんです。どうか、お許しください」
 こうもきっぱりと断られてはどうしようもなかった。
 しかし洋介は、高ぶる欲情と屹立したまま今か今かと挿入の瞬間を待ち侘びている股間の剛直を持て余して、ひとり苛立つ。
 それを察したように詩乃が言った。
「かといって、このままでは、お若い洋介さんはお辛いでしょう。代わりと言ってはなんですが、もしよろしければ、後ろの方をお使い下さい」
 詩乃は振り返ってタイル壁に片手を突くと、心持ち脚を広げて尻を突き出し、もう片方の手で恐る恐る谷間を広げて見せる。
 巨大な白桃にしか見えないヒップが無防備に差し出され、その尻たぶの割れ目からびっしりと皺の寄った褐色のアヌスが丸見えになった。
 さすがに恥ずかしいのだろう、自分から言い出したにもかかわらず、詩乃の両脚はがくがくと戦慄き、その振動はヒップにまで伝わって、むっちりと膨らみ切った白い柔肉の塊が、出来立てのプリンのように艶かしく震える。
 荒い息遣いに応じて菊座は忙しなく開閉を繰り返し、朱と紅の混じった肛門の断面が頻繁に見え隠れした。
「し、詩乃さん……いいの? お、お尻に挿入れても……本当にいいの?」
 自らアナルセックスへと誘う詩乃の姿を、洋介は夢でも見ているような気分で呆然と見つめる。
「い、いらしてください。私は平気ですから」
 恥ずかしさに決してこちらを振り向こうとはせず、けれど詩乃ははっきりと言った。
 それを合図に洋介はふらふらと歩み寄り、ひくひくと蠢くアヌスに亀頭を押し当てようとして、ふと考える。
(このまま挿入れても大丈夫なのかな? 詩乃さんのお尻、裂けちゃうんじゃ……)
 とっさに跪いて両手でヒップを鷲掴むと、親指で尻たぶを広げてアヌスのど真ん中に舌を這わせた。
 舌の先に皺の感触を感じながら、たっぷりと唾液を滴らせて肉色の菊を解きほぐしていく。
「あっ……あっ……そ、そんな……舐めて頂かなくてもよろしいんです。そ、そこは……あっ……はっ……はあぁん」
「詩乃さんのお尻が壊れちゃったら、僕だって困るから。いっぱい舐めて、なるべく痛くならないようにするね」
 尖らせた舌を花弁の中心に突き入れ、きつい窄まりを押し広げて、外から内へ、内から外へ、と行ったり来たりする。つるりつるりと舌が潜り抜けるたび、快感に触発されたアヌスはひくひくと痙攣を繰り返し、苦い腸液が滲み出して舌をじんじん痺れさせた。
「はっ……はひぃっ……よ、洋介さんの舌が……お、お尻に出たり入ったりしてますっ。あぁっ……なんてことでしょう。私、こんな……こんなはしたない真似をしてしまうなんて……」
 必死に恥じらいながらも、詩乃の声は悦楽に蕩け、震える腰は今にも砕けて、その場に崩れ落ちてしまいそうだった。
 嬲られたおかげでアヌスもすっかり柔らかくなり、やや脱肛ぎみになって唾液と腸液の混ざり合った臭う液体をじゅくじゅくと垂れ流す。
「これだけほぐれれば大丈夫だと思う。じゃあ、そろそろイクよ、詩乃さん。なるべくお尻の力を抜いておいて」
 洋介は立ち上がって剛直を握り直し、挿入を恋焦がれるように蠢く菊座の中心に、亀頭を直接あてがった。
 濡れ光るヒップの中央、巨大な桃の種口にも見える茶褐色の窄まりに、見慣れた自分のジョニーが密着している様子は眩暈を覚えるほど刺激的だ。
 亀頭の先にぬめる柔肉の感触が伝わり、そこが排泄肛である事実を完全に忘れてしまう。
「こ、こうでしょうか?」
 詩乃は精一杯ヒップを突き出し、言われた通りできる限り肛門括約筋を弛緩させて、挿入をアシストしようとする。
 ぽこりとアヌスが盛り上がり、内臓色の腸壁を見え隠れさせながら、ばくばくと開閉を繰り返す。
 すっかり内股になり、膝と膝を突き合わせた脚はアルファベットのXを描いて、その上に乗った桃尻がふるふると小刻みに震えていた。
 背後から眺める健気な姿は、初めて立ち上がろうとする、生まれたての小鹿のように愛らしく、産道への挿入を拒絶されて傷つき、ささくれ立っていた洋介の神経を癒してくれる。
「もし、痛かったら、すぐに言ってね」
 なんだか優しい気持ちになって、注意を促した。
「は、はいっ。い、いらして……ください」
 詩乃の返事を確かめてから、洋介は慎重に腰を突き出した。
 くちゅりという音とともに亀頭は窄まりを圧迫し、脱肛ぎみのアヌスを体内へと押し返す。
 しかし、早くもそこで壁に突き当たってしまった。
 アヌスそのものは柔らかいのだが、あまりにも穴が小さく、肉の抵抗に阻まれた牡竿がしなってずきりと傷む。
 それでも若さ、すなわち勃起の力強さに任せて強固な肉の門をこじ開け、しっかりとペニスを握って強引にねじ込んだ。
「うくっ……」
 くぐもった呻き声を漏らして、詩乃の背筋は弓なりに反り返った。
 壁を掴もうとするように指を曲げ、半月状に切り揃えられた爪がタイルを引っ掻く。
 そうする間も、押し入ってくる亀頭の形に合わせてアヌスは無理やり拡張され、その内径は見る見るうちに拡がっていく。
「くっ……詩乃さんのお尻……き、きつい」
 なんとかくびれまで埋め込み、ほっとひと息ついたのも束の間、今度は幾重にもねじって張力を増した輪ゴムで締め上げられ、亀頭を丸ごと千切られるような痛みに歯を食い縛る。
 濡れほぐれているとはいえ、元は排泄を目的とした器官である。
 膣窟とは反対に、異物を排出しようと腸壁は蠕動し、少しでも気を抜くと、せっかく挿入したペニスがひと息に吐き出されてしまいそうになった。
「くはぁっ、くはぁっ……くはぁっ……」
 詩乃は尻穴からぶっとい尻尾を生やした状態でヒップをわなわなと戦慄かせ、苦しそうに深呼吸を繰り返している。
 全身の肌にじっとりと脂汗をかき、がっくりうな垂れたまま、頭を持ち上げることも出来ないようだ。
 あまり手間取ると詩乃の身体に無用の負担がかかってしまう。
 意を決した洋介は骨盤を両手でがっしりと掴み、力いっぱい引き寄せると同時に勢いよく腰をしならせ、一撃の元にペニスを根元までぶち込んだ。
 ずぶりゅっ、と肉の裂ける音がして、みちっみちっみちっ、と粘膜同士のこすれる音が続き、最後は下腹とヒップのぶつかり合う、ぱつんという音が浴室に響いて決着がついた。
「ひっ、ひぐうぅぅっ……」
 ひき潰された蛙みたいに頬をタイルに張りつかせ、詩乃は悲鳴を挙げる。
 内股になったまま脚をがくがくと震わせ、括約筋の収縮に釣られてヒップがびくっびくっと不規則に跳ね上がった。
「あっ……熱いぃ……し、詩乃さんのお尻の中、よく煮えたこんにゃくみたいだよ。熱々でつるつるしてて……き、きもち……いひいぃ……」
 煮えたぎる血液の熱さに亀頭の粘膜を焼かれ、洋介は快感に悶える。
 アヌスは根元をぎゅっと締め付け、直腸の波うった内壁が亀頭と茎にねっとりとまとわりついてきた。
 まるで詩乃の体内で消化され、ペニスが溶け朽ちるような錯覚に陥る。
「お、お尻が裂けそうですっ。よ、洋介さんの……お、大きすぎて……お尻が……お尻が……お尻ぃ……」
 お尻お尻と壊れたレコーダーのように繰り返す詩乃には、まったく余裕が感じられず、洋介は不思議に思った。
「し、詩乃さんっ……もしかして、後ろでするのは……」
「は……初めて……です」
「そ、そんな……ぼ、僕はてっきり……」
 自ら誘う仕草から、すでに経験済みであると決め付けていた。
 アナルセックスは挿入される側の痛みが激しいことくらい、洋介にも想像できたが、痛みを訴える様子がないので強行してしまったのだ。
 自分同様に初めてであると知っていれば、もう少し優しくできた筈なのに。
「い、いいんです。洋介さんになら、私……後悔なんて……しませんわ」
 首を振り向け、無理に微笑む笑顔が痛ましい。
 しかし、洋介の胸には悦びが満ち溢れていた。
「僕は……僕は詩乃さんの初めての相手なんだね」
「そうですわ。洋介さんは私の……そう、私の初めての人です。さあ、いらしてください。妊娠の心配はありませんから、私のお尻にお好きなだけ射精してくださってかまわないんですよ」
 ハンマーで頭を殴られたような衝撃的な言葉だった。
 肛門処女を奪った男という輝かしい勲章を、詩乃の手ずから授かったうえに、肛内射精の許しまで得て全身の血は沸騰し、首筋はかっと熱くなる。
 洋介は痛みを与えないように細心の注意を払って、根元までアヌスに埋め込んだ反り肉をゆっくりと引き抜いていく。
「あっ……ひっ……ちょ、腸が引きずり出されて……お、お尻が……お尻の底が……抜けそうですわ」
 股間では詩乃の言葉通りの光景が展開されていた。
 しっかり咥え込んだペニスに引きずられてアヌスはめくれ上がり、充血して真っ赤になった直腸が肉の輪となって体外に食み出す。
(うわっ……こ、これっ……このままだと詩乃さんの腸がぜんぶ出て、戻せなくなるんじゃ……)
 半ばまで引き抜いたところで洋介は怖くなった。
 慌てて腰を突き出し、いったん根元までペニスを埋め戻す。
「はうぅんっ」
 不意打ちを食らって詩乃は鳴き、白いヒップをぷるんと震わせる。
 脚をもじもじさせ、切なげに唇を噛み締めた表情は、ついいじめたくなるような嗜虐性に満ち、洋介は即座に短いストロークに切り替えると、小刻みなピストン運動を繰り返した。
 抜き差しするというよりは、深く挿入したまま上下に揺らし、根元を使ってアヌスを広げつつ、先端で腸内を掻き回す要領だ。
 くちっ、くちっ、くちっ、とリズミカルな液音が響いて、結合部にねばねばした濃厚な腸液が静かに飛び散る。
 最深部の肉管はつるつるして、ひと突きするたびに亀頭はぐるりと腸壁をひと巡り、傘の表面も裏の筋もまんべんなく摩擦され、腰の砕ける気持ちよさ。
 粘膜にぴりぴりと走る快電流は、そのまま生暖かい春風となって全身へと吹き抜けていく。
 神経の蕩けるような快美感に腰を貫かれて、洋介は思わず少女のようなあえぎ声をあげてしまった。
「はっ、あぁんっ……し、詩乃さんっ……僕は今、詩乃さんのお尻の中にいるよ。このおっきなお尻の奥で、うねうねした腸を掻き回してるんだ」
 詩乃のヒップは目の前で勢いよく弾み、扁平してはまた元の形に戻る。
 そんな桃尻の奥深く、腰骨の辺りまで埋まった自分の男根がとぐろを巻いた腸管をえぐって猛り狂っている。そう思うと興奮はよりいっそう掻き立てられた。
「はんぁあっ……お、お尻の奥で……お尻の奥で洋介さんが暴れてますっ。そ、そんなに奥まで突いたら内蔵が……内臓がずれてしまいますっ」
 半ば白目を剥いて、詩乃はぱくぱくと金魚みたいに唇を開閉させる。
 唇の端からだらしなく涎が垂れ、とがった顎を伝って白い喉を滴り落ちていった。
「はぁっ、はぁっ……ご、ごめんっ、詩乃さんっ。ちょっとだけ……我慢して。もう少しで……もう少しで終わるからっ」
 手順の複雑さから行為は長引き、もう辛抱しきれなくなっていた。
 一刻も早く、詩乃の腸に欲望を吐き出したい。その想いに突き動かされて、猿のように腰を振る。
 激しい摩擦によってすっかり熱を帯びた結合部から、腸液の甘い匂いと微かな便臭が漏れ出し、湯気の充満してサウナさながらに蒸し熱くなった浴室に、噎せ返るような生々しい恥臭が立ち込めた。
 臭いのに芳ばしい、臭いのについ嗅いでしまう、その不思議な臭気は恐ろしいまでに牡の欲情を掻き立てる。
 意識朦朧となった洋介は、両乳房を掴んで前のめりになっている詩乃を抱き起こし、渾身の力で腸の奥をえぐりながら耳元で囁く。
「詩乃さんのお尻、どんどんエッチ臭くなってるよ。この匂い嗅いでると僕、腰が止まらなくなっちゃうっ」
「いやっ、いやっ……嗅がないでくださいっ。そんなくさい臭い嗅いではいやですっ。あぁっ……お尻の穴が取れてしまいそう。中身が……中身が全部、出ちゃうぅっ」
 洋介の顎のすぐ下、虚ろな瞳で天を仰ぐ詩乃は抱き締められたまま人形のように力なく身を任せ、尻穴を突かれるたびに細身を浮かせてわずかに宙を舞う。
 身長差から限界までつま先立ちになり、快感の波頭に翻弄され腰をくねらせる姿は、まるでエロティックなベリーダンスでも踊っているようだ。
「あっ、し、詩乃さん、駄目だよっ。そんなに腰をくねらせたら、中で……中でねじれるぅ……」
 有り余る快感を受け流そうという詩乃の自然な振る舞いは、はからずも洋介への愛撫に変わってしまう。
 排泄孔にすっぽりペニスを呑み込んだまま、詩乃の腰は卑猥な螺旋運動を繰り返し、生み出されたうねりは雪のように白い腹の奥でつづら折りになった腸管を上下左右へ弾ませて、生命のミルクを搾り取ろうと、内包された肉棒を内壁のひだで擦りたてては圧搾した。
 性感の高まりに従って括約筋の締りは増し、さらにはオルガスムスが近いのか、小気味良い痙攣まで始まって、ペニスの根元はきつく引き絞られる。
「詩乃さんもイキそうなんだね。お尻の穴がきゅんきゅんいってるよ。根元から千切れそうだ」
「はっ、はひっ。洋介さんのおかげで私……わたし、お尻でイキそうになっています。初めてなのに……お尻でするのは初めてなのに……こ、こんなこと……いけないわ」
 かすれ声で告白しては、恥じらいに頬を染め、虚ろに蕩けた瞳を伏せる。
 最後に残った理性がそうさせるのか、オルガスムスの原始的な快感に包まれながら、それでも淑やかであろうとする詩乃の姿に洋介は感動した。
「詩乃さん、イって。僕ももう射精るから。一緒に……いっしょにイこうよっ」
 腰の中心が猛烈に熱くなり、震えるほど心地良い快電流が背筋を這い登って脳髄を痺れさせる。
 射精をコントロールしようとする力はあっという間に吸い取られ、股間で膨れ上がっていく熱湯を満載した水風船が破裂するのを止められない。
「い、いらしてくださいっ。洋介さんの熱いものを私のお尻に存分にお射精しになってくださいっ。お腹が膨れるくらい、たっぷりと注いでくださいましっ」
 切羽詰った叫びに触発され、詩乃を力いっぱい抱き締めると、洋介は完璧な腰の一撃でペニスを限界までアヌスに沈め、ぶるっと腰を震わせて溜まりに溜まった精を解き放つ。
「うぅっ……で、射精るぅっ……」
 くぐもった呻きと共に奥歯を噛み締めた瞬間、括約筋がびくっびくっと痙攣して強制的に射精運動が始まり、窮屈な尿道を無理やり押し広げながら煮えたぎる精乳が駆け上った。
 亀頭は破裂せんばかりに膨張し、鈴口から間欠泉のように牡液が迸る。
 ビュクンっ、ビュクンっ、と勢いよく射精するたびに、身も心も蕩ける悦楽が噴水のように腰の中心に吹き上がり、続けざまに眉間の奥で光が弾け、全ての思考は吹き飛ばされてしまう。
 詩乃のヒップの奥深く、直腸の最も深い場所にありったけの精液をぶちまけながら、洋介は眩いばかりのエクスタシーに包まれてうっとりした。
「はっ、はひぃっ……で、射精てますっ。洋介さんのミルクがお尻の一番深い所でぴゅくぴゅくいって、腸の中を逆流してるの。あっ、熱いぃっ……お腹が……お腹が焼けちゃうぅっ……」
 そして、いよいよ詩乃がイッた。
「いやあぁっ、お、お尻が気持ちいいっ……お尻が気持ちいいのぉっ……わ、私も……わたしもイキますっ。お、お尻で気持ちよくなって、わたしイってしまいますぅっ」
 歯を食い縛って高々と顎を突き上げると、詩乃の身体は折れんばかりに反り返り、ぎくりぎくりと不気味な痙攣が走って、最大限まで伸び切った四肢を震わせる。
 柔らかだったヒップはぎゅっと引き締まって表面に筋肉を浮き出させ、ペニスを咥え込んだアヌスの強烈な収縮を通して、オルガスムスの脈動が洋介の体にまで伝わってきた。
「し、詩乃さんっ……詩乃さんがイッてるのがわかるよっ。お尻の穴がぎちぎちに締まって……そ、それに……あぁっ……お尻の中はもうぐちゃぐちゃだっ」
 釣り上げた魚のように跳ね回る詩乃の身体を腕の中に感じながら、洋介は軽く息んで射精の名残液を搾り出し、精液と腸液でどろどろになった腸管の心地良い温もりと柔らかさに酔い痴れる。
「あっ……ふうぅっ……ん」
 苦悶の表情に歪んでいた詩乃の唇が、ゆっくりと柔和な微笑を浮かべて小刻みに震えた。
 緊張していた筋肉は完全に脱力し、洋介の胸にずしりと体重が圧し掛かる。
 そのままぐったりと背を預け、詩乃はぴくりとも動かなくなってしまった。
 やがて、ようやく射精のおさまった洋介が腰を引くと、弛んだアヌスからずるりとペニスが抜け落ちる。
 ピストン運動の最中に空気が混入したのか、小さな放屁と共に白濁したスペルマが飛沫を散らしてアヌスより吹き出し、一筋の滝となってぼたぼたと垂れ流された。
 びっしょり汗をかいた女体から立ち上る、甘酸っぱい体臭を胸いっぱいに吸い込んで、洋介はそっと囁いてみる。
「ねえ、詩乃さん。もし、僕のことを嫌いじゃなかったらさ。いつかちゃんと……ちゃんとセックスしよ。僕、詩乃さんが受け入れてくれるのをずっと待ってるから」
 穏やかな微笑を浮かべ、気持ちよさそうに失神する詩乃に、その囁きは届いただろうか?

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